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パタヤジョイ【1】―魅惑の国との出会い

投稿日:2005年1月1日 更新日:

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もう10年以上も前のことになる。タイを訪れる多くの人がそうであるように、僕もまた、あの日から、この常夏の国の虜になってしまった。ボクの初めてのタイは、当時、日本で付き合っていた彼女とだった。「ヒロ(=仮名)、この夏は海外に行こうよ、今ちょうどプロモーションでタイ旅行のツアーを募集しているから…」。

5万円前後の格安パックツアーだったと思う。運良く応募定員にもひっかかり、その夏、僕は、大学の夏休みを利用して、彼女とタイ旅行をすることになった。航空運賃、空港からの送迎、ホテル宿泊費、全てがそのパックに含まれていた。

初めて降り立った国、タイの印象は、空港の構内を出たときに強烈に感じた何か埃っぽい、それでいて鼻をつく何ともいえない匂い。到着したのが深夜であったにも関わらず、ムンッと体全体を覆う熱帯特有の空気だった。そのパックツアーは、プーケット島3泊、バンコク2泊の計5泊6日。プーケットでは滞在のほとんどを昼はビーチ、夜はホテルでのんびりといった感じで過ごした。プーケットは見るからにリゾート地だった。海は特別きれいだとは感じなかったが、何しろこの国はのんびりとした空間がどこにでも漂っていた。

海沿いのシーフードレストランで、ちょっと小粋なディナーを取ってみたり、何十と軒を連ねる土産屋を回っては、「これ安いねぇ…」、「これ超怪しい~!?」などと喜々として二人ではしゃいだのを覚えている。最終二日間のバンコクも、今考えれば、当たり障りのない観光で、エメラルド寺院などのワット(寺院)巡りに、定番のシルク屋、宝石屋などを連れまわされた。昼食はお決まりのグリーンカレーだった。

このパックツアーは、この国の輪郭にちょっと触れたぐらいの旅行だった。食あたりが怖いからと屋台でも一切、食事は取らなかったし、ホテルでもとにかく水が怖いからと、洗顔、ハミガキ時のうがいでさえ、ミネラルウォーターを使用した。今、考えれば、吹いて笑ってしまうぐらい情けない話だが、その当時、僕がアジアに抱いていたイメージとは、その程度のものだった。汚い、貧困、治安の悪さ、、実際、日本のそれと比べてしまった僕は、観光地とは違う場所、ホテル近辺の集落や、現地人を見て、「汚い」そして「貧困」を感じてしまった。(治安が悪いとは感じなかったが…)

しかし、現地の生活には、全く触れなかったとはいえ、僕は、とにかくこの国の物価の安さに驚いた。そのとき、自分への土産に買ったのは、Tシャツ、ダボパン、ミュージックテープ、そして、ロレックスのコピー商品だった。今、頭の中の記憶を呼び起こせば、結構なぼったくり額で購入したことは確かだが、それでも、当時の僕の感覚では、もちろん安い買い物だった。初めてのタイに感じた印象は、「汚い」、「暑い」、「怪しい」、「貧困」、「物価の安さ」。確かにマーブンクロンやサイアムスクエアなどのデパートにも行ったが、街がさして発展しているとも、小奇麗だとも全く思わなかった。とにかく頭の中をよぎるのは、「汚い」、「怪しい」といった言葉群だった。

そして、僕にはもうひとつ気になるものがあった。プーケット島で見かけた、現地人女性と欧米人男性のカップルが街のそこかしこを連れ立って歩いている様子だった。この国について勉強していったことと言えば、「水に気をつける」、「暑さ対策」、そして「通貨」ぐらいのもので、それ以外のことは何も知らなかったし、全く興味もなかった。だから、そのときはどこか郊外地に怪しい連れ出し店でもあるのかななどと考えたりした。それ以上はその光景に全く関心もなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから2年後、僕は友達に誘われて二度目のタイを経験することになる。今度はおよそ3週間ほどの長期旅行。特にバックパッカーに憧れていたとか、「深夜特急」を読んで、自分もそういう経験がしたかったとか、そういう種の考えは全くなかった。ただ、もう一度タイに行ってみたい。晴れ渡る空の下、のんびりと過ごしたあの空間を、もう一度味わいたい。それだけだった。

3週間の小旅行は、サムイ島から始まり、バンコク、カンチャナブリー、チェンマイでのトレッキングツアーなど、とにかく、いろんな場所へ足を運んだ。男二人での旅だったので、前回のように彼女のことを気遣う心配もない。深夜バスや、汚い3等列車を利用し移動する。ゲストハウスではドミトリーに泊まってみたり、同じような他の旅行者と話をしてみたり、薬や葉っぱを試してみたりと、、とにかく男二人の旅を楽しんだ。

ちょっとした長期旅行も終盤を迎えたころ、僕らはもちろんバンコクへと拠点を移していた。そして、その最終日、もう日本に帰るのだからお金の心配をする必要はない。そういう考えから、僕らはパッポンストリートに繰り出すことにした。僕らがそのとき知っている夜の歓楽街の名前はパッポンだけだったからだ…。宿泊していた安宿の前でタクシーを捕まえると、僕らは「パッポン、パッポン!」と行き先を連呼した。すると運転手はニヤリと微笑み、「ゴー、アタミ、アタミ!」と僕らに繰り返してきた。

「んっ!何だ?アタミって?」。「マッサー、レディ、ブンブン!」。運転手は卑猥な言葉と、仕草で僕らに告げてきた。でも、そのときの僕らは、ただただボッタクリという言葉だけに過剰反応していたような気がする。運転手を制すると、とにかくパッポンへと車を走らせるよう指示した。そして、忘れもしないあの感覚…。「すげぇ!こんな所があったんだ」。とにかく、密集したナイトバザールと、その脇にズラリと並ぶ怪しいネオンの数に僕らは、ただただ驚喜した。

「何、これ、どうする?」。僕らは何も知らなかった。「とにかくボッタクリだけには気をつけよう」。通り入口の両替所でなけなしの日本円を換金する。そして、なぜか入口のセブンイレブンで二人してコンドーさんを購入。(汗…) 「よし!準備はOKだ!」。ぼったくられた時のために1.000バーツ札を2枚ほど財布に入れると、後は内ポケットやら、靴下の中など見えない所に隠した。それほど、僕らはボッタクリという言葉に敏感だった。

「ハロ~、ウェルカム♪」。歩けば、手を引き店内に引き込もうとする強引な呼び込みに、ぶち当たる。それでも、むさくるしく汗臭い男とは違い、若い生娘に手を引っ張られるのだから、この上ない喜びである。僕らは、そのとき、「キングキャッスル」というGOGOバーに入った。(1、2、3のいずれかは忘れた)。その理由は、これだけ大きな店ならば、ボッタクリもないだろうと話してのことだった。

店に入ると、そこはもう、洋物のB級映画の1シーンだった。ビキニ姿の女性がポールを手に怪しげに踊っている。周りを見渡せば、欧米人が一緒にフロアで踊ってみたり、ある者は現地人女性の肩に手を回し、ソファーにふんぞり座っている。「何だこれ?とんでもないとこに来ちゃったね…」。

僕らは隅っこの席(ソファー)に座り、ハイネケンを注文した。僕らは何も知らなかった。そのとき知っていることといえば、こういう店では女の子を連れ出すことが出来る。それだけだった。「あの子可愛くない?」。「日本でセンター街辺りを歩いてそうだよ…」。「うぁ、あの子も超カワイイ!」。「どれどれ、何番?」。「手前で踊っている色が白い子、○×番だよ」。

店に入って、しばらく経つと、僕らは酒が入ったこともあって、リラックスし店の雰囲気に馴染み始めてきていた。でも、どうやって女の子と話をすればいいのかも、席に呼んでいいのかも分からない。僕らは、とにかく、ぬるくなってきた1本のハイネケンを片手に、ステージ上で踊る女の子を眺めては、あれこれ批評し、喜々として時を過ごした。各自ステージ上の女の子に釘付けの日本男児二人。女の子がこちらを見て微笑む。僕らもそれに応じ微笑を返す。

そんな空間が20分も過ぎた頃、踊りをやめフロアに降りてきていた数人の女の子たちが、僕らのテーブルにやってきた。「Hello ! Where you come from?」。「あっ、Ja...Japan」。あとの会話は全く覚えていない。そして、彼女らは僕らのテーブルに次々と座った。彼女らが「Go HOTEL?」と耳元でささやく。いい香り、しなやかな肌、全くタイ人には見えなかった。どう対処すればいいのか全く分からなかった。

とにかく、隣に座った女の子が可愛かったのは確かだったが、僕はいまだステージ上にいる、線が細くて浅黒い肌の子に目を奪われていた。「No! No! I can not go Hotel with you」。片言の英語で応戦する。僕の目は、あの褐色の肌の子に向けられているだけであった。そして、ふと気がつくと、僕らのテーブルには数杯のコーラが置かれていた。

「んっ!何だろう、これ」。「奢んなきゃいけないのかな?」。友達と目を合わせる。「まあ、しょうがないか…」。僕らはレディドリンクの存在すらも知らなかった。あとは、もうわけが分からなかった。

店内の女の子たちは、次から次へと、代わるがわる僕らの席へとやってきた。「Hello~」。そして、ある程度の自己紹介が終わると「Go Hotel with me?」。これの繰り返しだった。1時間もすると、僕らのテーブルには10数杯のコーラのグラスが置かれていた。会計は二人で2.000バーツ以上になっていた。「やばいよ!このままだと。とりあえず、ここは出よう」。僕らは、会計を済ませると、言い寄ってくる女の子たちを振り切り、外に出た。

でも、まだ宵の口。フライトの時間はその日が明けた早朝7時だった。「まだ時間もあるし、もう何軒か行ってみようか」。酒の勢いがあったことも確かだが、僕らは、怪しくも、楽しいこの空間にはまりつつあった。「でも、とりあえず、女の子のコーラだけには注意しよう!」。「でも、断っていいのか・・・」。「隣に座らせたい女の子だけに奢ればいいじゃん、あとは断ろう」。僕らは再びパッポン通りを闊歩し始めた。

その後、何軒かのGOGOバーに入った。微妙に内装など違えど、どこも同じようにビキニ姿の女の子がやってきて、僕らとホテルに行くことをせがみ、そして、コーラをねだってきた。しかし、彼女らのコーラ攻撃は、すでに了承済みだった。僕らは、ひたすら言い寄ってくる女の子に、「No! No!」とコーラを奢るのを拒んだ。そして、おおよそながらGOGOバーというものを理解し始めて来た僕らは、次なるステップに進むことにした。

「ねぇ、この後、どうするよ?」。「せっかくだから、やってみるか?」。「で、手持ちの金は幾らある?」。それまで、ケチって小旅行をしてきた僕らだったが、GOGOバーという代物は、あっという間に僕らの財布からバーツ紙幣を奪っていた。安いと思って酒をあおり、コーラを奢ると、会計はすぐに1.000バーツ近くになった。

数軒を回ったところで、その魔力に気付いた僕らだったが、帰国は明日。「せっかくだから、やってみようぜ」。僕らは、持ち金を全て使う覚悟で、女の子を連れ出すことにした。「で、お前は、誰がいいの?」。「お前は?」。「俺は1軒目に入った店の子。色が黒くて…」。「お、俺も一軒目の白い子」。「まじ?じゃあ、あの店に戻ろう!」。偶然にも意見は一致した。

今度の僕らは、さっきまでとは打ってかわり、大手を振って入店した。再び店に入ると、一通りのコーラ攻撃をかわし、店内を見渡す。「あっ、いた。俺、あの子がいいんだよ」。友達が気に入っていた子も、運良くステージ上で踊っていた。「で、どうやって呼ぼうか?」。僕らは再び目を見合わせた。しかし、そんな心配もすぐに解決した。先ほど店に来たときに話した子が僕らの横に来て、「誰か気に入った子がいるの?」と尋ねてきたからだ。僕はステージ上のあの子を指差した。

その後、僕らは二人(僕と友達についた女の子)にコーラを奢った。初めて奢ることに満足したコーラだった。僕の隣に座った女の子については、面影は頭の中に残っているものの、名前、年齢、今となっては何ひとつ思い出すことは出来ない。それほど僕は舞い上がっていた。そして、当然の成り行きで、彼女は僕に「Go Hotel?」と尋ねてきた。僕は「OK」と返答した。

トイレに友達を呼び、有り金を確認する。二人合わせても、持っている現地通貨は4.000バーツほどに減っていた。「ま、何とかなるか…」。僕らが、会計を済ませると、普段着に着替えた彼女らは、すぐにやってきた。ショートタイムということで、僕らは、手を引かれ、近くのホテルに連れて行かれた。

「ここの部屋代が400バーツよ」。ホテルに着くと、彼女は淡々と僕に伝えてきた。「えっ、そんなにするの?」。会計を済ませ、もちろん連れ出し料も取られた僕らの有り金は合わせて2.000バーツ強に減っていた。僕らは彼女らに正直に話した。「もう、これだけしかないんだけど、でも帰りのタクシー代もあるし…」。彼女らは何やらコソコソと話し合い、じゃあ、一緒の部屋でということを提案してきた。僕らは、それに従い、4人でツインベッドのある部屋へと入った。

その後は、とても事務的な作業だった。4人が代わるがわるシャワーを浴び終えると、彼女はおもむろに僕のものを触ってきた。「えっ、ちょっと待ってよ」。たいした会話も何もなかった。それはS●Xという名の作業だった。彼女は、自ら裸になり、さあ、やりなさいヨと言わんばかりの言葉を、僕に投げかけてきた。僕のものは全くそれに反応しなかった。店での彼女、ホテルに来る途中までの彼女とは明らかに違っていた。

僕が無理やり果てると、彼女は再びイソイソとシャワーを浴び、衣服をまとった。隣のベッドでも同じようなことが起こっていたとは、後で友達が語った言葉だった。「雰囲気もクソもないね…」。「ああ、でもまあ、そんなものなのかも。言葉も通じないんだし」。

僕らはホテルに戻ると、荷物をまとめ、空港へと向かった。しかし、それから数時間。日本に戻る機内での僕らの会話といえば、「でも、良かったよね…」。事務的な作業については二度と語られることはなかった。

ただ、、、あの狂おしいばかりのGOGOバーの空間と、ひと時を過ごしたそれぞれの彼女を懐かしむだけであった。

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