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タイ主婦たちの井戸端会議inパタヤ

投稿日:2017年4月22日 更新日:

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タイ(パタヤ)の集合住宅、いわゆるタウンハウス(長屋形式)の家に移り住み~早や数年が過ぎてしまったが、ようやく集落での我々の存在を認識してもらえるようになったというか、認められ仲間入りしたとでもいうのか、顔を見合わせてもよそよそしかったお互いの対応も、いつしか時間の経過と共に挨拶程度の仲は、会話するほどの仲へと変わっていく。

そして、およそ30世帯近くのご近所さんの家族構成やそれぞれの家庭事情など何となくながら把握できるようになり、周囲2~3軒あたりまではどんな人が住んでいて、どんな生活をしているかまで分かってしまうというような雰囲気があるのも確かである。

突き刺すような南国の太陽が西に傾き夕日が沈む頃合、敷地内にある空地(広場)には集落の住人たちがそれぞれ赤ん坊を抱いたり、エクササイズしたり、ペットの犬を散歩させたりして集うことになる。そして挨拶から始まった会話はお互いの健康とか子供のこと、今晩の夕食から田舎の両親の話まで、とりとめなく浅い会話は夕涼みの暇潰しとばかりにダラダラと続くことになるのだが、僕の場合はタイ嫁から「ちょっと聞いてよ」的なお隣さん小話がちょくちょく耳に入ってくるというわけである。

全く興味もない僕は「ああ~、ハイハイ・・」といつものどーでもいいご近所話だと適当に受け流すことになるのだが、それでも時折ちょっとした事件や興味深い事実を知ることになると、俄然、面白タイ民族の人間観察とばかりに「もっと詳しく聞かせてくれ」とタイ嫁の話に耳を傾けることになる。

というわけで、数年住んでみて分かった範囲で言えば、我々が住んでいる集落には基本的にはタイの中流家庭が多いという印象で、見るからに裕福な家もチラホラ。うちのお隣さんはゴールド(金)の売買で儲けているらしい中華系シングルマザーとその子供たちで、他にも住まいがあるのかあまり姿を見せない。

逆隣の家はいつも夕方~深夜にかけて軒先テラスで酒を飲み煙草をくゆらせ佇むお爺さん。僕は引越し当初から日々、顔を合わせれば挨拶を交わす仲であり、彼が独りブツブツと何か呟いていたり、空に向かって何か叫んでいたとしても、念仏のような呪文を唱えているのを見かけた時も、それを微笑ましいタイ老人の日常として捉えている。しかし、最近、集落内でちょっとした盗難騒ぎ(事件)が頻発し、皆が寄り合い結託して犯人探しを行ったところ、お隣の爺さんが度々盗みを働いていたことが判明した。

嫁は思い出したように、以前うちの玄関先に置いていた2体のシーサーのような魔よけの置物が誰かに盗られたのか、ある日突然無くなったことを思い出し、大人だとバチが当たると理解しているので子供が持って行ったのでは?と事を収めていたが、実はお隣の爺さんだったのでは?というようなことを言い出した。何でも聞くところによると、爺さんは他人の家の軒先やガレージ(車)に入り、大型のものから小さなものまで手当たり次第、自分の家に持って帰ってきてしまうようだ。

ある晩、隣の夫婦が爺さんに説教する怒声が響いてきた。「何で他人の家のものを勝手に持って帰ってくるんだ?ポー(父さん)!」。一方の爺さんは自分のものだと主張を続けている様子。どうやらボケてしまっているようだ・・。爺さんはいつも夕暮れ時になると外へ散歩へと出かける。爺さんはいつも外出する際、ガレージの鉄格子扉を閉めたまま、自らよじ登り乗り越えるという荒業で家を出入りする。それを初めて見かけた時は「ルン(おじさん)!何やってるの!?」と突っ込みを入れた僕だったが、今では日常景色のヒトコマと化している。あれは他人の家の壁をよじ登るための練習なのか。ただのクセなのか。さてはて・・。

そんなタイ人集落に囲まれた海外暮らしの中、僕のような外国人も何人か住んでおり、タイ人ばかりの集落だけに外国人は目立つ存在である。そして、いつもの夕暮れ時、集落内で目立ってしまった者は(日本人同様)タイ人主婦たちの餌食(ネタ)となり、ニンター(うわさ話/ゴシップ)に花が咲くってな按配になるわけである。

凶暴な大型犬2匹を飼っている比較的こもりがちな独身欧米人(老人)。奇抜なファッションでクヌクネ腰をフリフリ、ペットの小型犬を散歩させる痩せ型タイ人男と幾分裕福そうな小太り欧米人おっさんのゲイカップル。数ヶ月前に引っ越してきた新参者の中国人2世帯は最近特に古株住人たちからの標的、調査対象とされているようだ。いつも仲間たちでワイワイ酒を飲みながら賭け事か?何やらゲームに興じている様子だといぶかしがる集落の面々・・。

そんなタイ人家庭とパタヤならではの特異な外国人たちとが一緒くたに住む、ごちゃまぜの集合住宅生活を続けていた折、まさにパタヤならでは!という一家の事実を知ることになる。それはうちの2、3軒隣に住むタイ人一家で、その一家の主たる存在は見るからにタイ人おばさん(年の頃は40代半ば)である。昨年頃から住み始めたのだが、滞在当初は品の良い欧米人おじさんと二人で、ガレージにはピカピカの新車と周囲でも目立つ存在であった。最近では家の一部を増改築し、益々目立っていたのだが、いつの頃だったか欧米人おじさんを見かけなくなった。

そして、欧米人がいなくなり、しばらくすると、いつの間にか、年頃の子供やら両親(祖父母)やら、田舎からなのか家族の数(同居人)が明らかに増えていっているのを見かける。ガレージに置いてあった新車はいつしか空地へと移され、ガレージは日々の宴会場と変貌してしまうのであった・・。

ふと気づくと、あの欧米人おじさんを再び見かけるようになる。またタイに戻ってきたようだ。彼が不在中に居座り同居していた家族たちの処遇についてもタイ人おばさんに口説かれ同居許可という流れになったのだろうか。今回の滞在ではピックアップ車に家族たちを乗せ外出する姿も見かけられ、欧米人おじさんはタイ人大家族を養っていくことを受け入れた様子だ。寛容な心を持った人もいるもんだと感心しきりな僕は、きっと母国で何か事業を経営しているような裕福な人に違いないと思いながらも、おじさんの訪タイ頻度を考慮すると普通に働いているサラリーマンなのかも?などと彼に同情する気持ちさえ湧き上がってくるのである。うむ・・泣)

なぜ僕が彼に同情してしまうのか?それは、、その、、タイ人家族の中に当然のように普通にタイ人おばさんの旦那(正規)が同居しているからである。正規であるタイ人旦那は欧米人旦那が来た際(パタヤ滞在中)は近くのホテルに身を隠し、タイ人おばさん(本当の妻)から小遣いをもらいサバイサバイにやり過ごすってな按配なのだ。タイ嫁も然り周囲の住人たちの意見も皆一様に「ナーソンサーン(可愛そう)なファラン(欧米人)・・」という小話であるが、真実を知らない欧米人おじさんにすれば、かなり重要な真実(現実)でもある。

そして、僕はまた周りのタイ人同様、それを見聞きはするが、ただのウワサ話の一つとして処理し、受け流し、普段の日常生活に意識を戻すだけである。触らぬ神に祟りなし!?タイ人は普段は開けっぴろげで愛想もよく誰かれなく普通に会話したり、仏教徒だけに助け合いの精神とか近所付き合いとか自然に行っている民族であると感じるが、一方で自分の身の危険、災いとか恨みを買うような行為を嫌う(避ける)というか、とにかく面倒ごとを嫌う民族だという印象なのである。(ま、日本人でもそうか?)

そして、万が一の保険、命綱、、今年になりおじさんとの間に新たな子供(ハーフ)が誕生した。一夫多妻制ならぬ、一妻多夫制。

欧米人旦那の居ぬ間に、せっせとガレージの改築工事、現場監督に勤しむ肝っ玉タイ人おばさんに「サワディカー♪」と声をかけられ、「改築中の家スワイ(キレイ)だね!」と挨拶を返す日本人の僕は間違いなく偽善者なのであろう。ふむ、あとは仏陀頼みだけである。

 

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