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トレジャーハンター列伝 VO.3―インドネシア中部編

投稿日:2003年1月3日 更新日:

インドネシア3日目。なかなか面白かったジャカルタから東へ―。まずは電車(快速)にてバンドゥンへ。エグゼクティブクラスの車内はアテンダンドのおねーさんも美人揃い。安め設定の車内食。日本の特急指定席なみに快適であっという間の4時間だったが、そのなぜかインドネシアに不向きな快適さに物足りなさを感じ、この後バスで2時間半、目的地チパナスまでは市バスで行くことにした。

チパナスの宿は、1日中温泉がかけ流し♪という、なんとも贅沢なパンフレットの紹介を目にしたため。ここバンドゥンを飛ばしても今日中に着きたかった。さて、バンドゥンの街をうろつき、指差し会話張片手に市バスステーション探し。シクロのオヤジと会話していると、僕の後ろ、渋滞中の車の中から英語で「メイアイヘルプユー?」。

年の頃30後半ぐらいの夫婦が、僕に声をかけてくれた。市バスステーションを探しているむねを伝えると、「OK乗りな?」。「いや、いいですよ」というと、「いいんだよ、困った旅人には親切にだろ?」。その後、渋滞の中30分も時間を割いて、「この街のこのフルーツが美味しいんだよ」とフルーツまで買い、もてなし僕を送ってくれた彼ら。バス停に着くなり、渋滞中の道路脇に車を止めてまで案内しようとしてくれる彼を、僕は丁重に断り。

「どうして?そんなにインドネシアの人々は皆ケバイカンハティ(親切)なんですか?ジャカルタで会った人たち、そしてあなたたち、アンビリーバブルですよ!」という僕に、はにかんだような表情で、「それはキミがたまたまラッキーなんだよ。バスにはスリも多いから気をつけて♪」と彼。「そう、僕はたまたまラッキーです。こうして今このとき、こんなにもふところの深い優しさを無くしていない人々のいるこの国に来れて」。

市バスに乗り込むと、先ほど乗ってきたエグゼクティブクラスの電車の人々とはかなり違う感じの人々で席は一杯。かろうじて僕の席があり、ちょうど走りだした。不意にミニギターを片手に歌いだす歌い手、停車するたび乗り込んでくる物売り、なんだかアジアというよりメキシコのようなラテンな空気に、乗り心地の悪さはさておき。とても楽しい2時間半だった。

辺りが暗くなるころ温泉の町チパナスに到着、中々いい感じの温泉街だった。ただ残念なことに温泉のお湯はぬるかった。

翌日、バスで4時間弱パガンダランへ。あの津波の爪あとは今はなく、海岸線は綺麗になっていた。ここにきた目的は齢40越えにての波乗りデビュー!!半日レント(最初基礎レッスン込み)で、US15のところを100.000RP(US11)に負けてもらい、いざっ!(もともと海育ちですから。)

トライ2回目にて一応波に乗ると、インストラクターの兄ちゃんが、「おおぉぉおーーほんとに初めて??2回目で波乗れた日本人初めて見た」と。インドネシア人は人を持ち上げるのも上手な民族のようだ。波に乗れたといっても中くらいの波に乗れただけで、本来の力強いここインドネシアの波を、この後も果敢に攻めたが、20数回トライで1回乗る(それもやっと)のが精一杯。

そして、夕暮れ時、大きな波と戯れる地元の子供たち。その後ろに沈みゆく大きな夕日を眺めながら飲む冷えたビールと安く大きな海の幸。人々はラテン気質な笑顔。もしかしたらここは楽園なのかもしれない。さてさて、夜はもちろんウフフ♪なお相手探しに街へ探索に出た。で、ありました、わらぶきカラオケが15件ほど。店に平均4~6人総勢60人ぐらい。中には結構ムフフ♪なコも。ですが、どうも出来上がっているのか?外人価格のため一時退却。

海岸線に戻り、道ばたトウモロコシ焼きの兄ちゃん(35歳)と雑談すると、「よし僕がいいコを連れてきてあげるよ!しかも僕なら現地価格だから」。と、数分後には予想に反してその言葉通り、1人のムフフン~♪なコ登場。「グッジョブ!!」。兄ちゃんにチップをあげると、さっそく彼女を連れ宿へと帰還した。

明るいいいコだった。そして、彼女とのマンゾクなひとときを過ごした後は、再び、彼の焼きトウモロコシを食べに。1本2.000~3.000RP(7~10バーツ)と結構細い商売。彼は多少の英語がしゃべれた。「かつて、ここに7Mもの高さの津波がきた。さっきの彼女はそれで親を亡くしたんだ。いい娘だったかい?僕はここでホテルのチーフマネジャーだった。今じゃトウモロコシ焼いてるけどね」。ふいに楽園と思っていた、ここの現実にふれてしまった感がした。しかし、そう語る彼から悲観、あきらめといった表情は微塵も感じられなかった。それが唯一の救いだった。

彼はいいヤツだった。僕を騙すそぶりなど全く見せず、「明日は一緒にキミが高く言われたところ(店)に行って、交渉してあげてもいいよ。気に入った娘がいたんだろ?」と優しい言葉をかけてくれた。しかし、僕は翌日、さらに翌々日と、、彼に紹介してもらった、心の内に悲しさを隠した笑顔の素敵な女の子と過ごした。やはり、僕は偽善者なのだろう。

彼が唯一僕にねだったものがある。それはタイ製のサンダルで鼻緒がなく足の甲を止めるタイプのもの。そう、僕はふたたびこの地を訪れるだろう、タイ製のサンダルを買って…。

【文提供/ビレッジK氏】
アジアをこよなく愛し、通い続けること早や30年以上。自由の地を探し求め続けるオトコ(50代)。職業は「トレジャーハンター(自称)」。国境地とか辺境地とか危険な地帯が好き。大好物はビアチャーン。心はピュアな助べえオッサン日本A代表。好きな食べ物:もぎたてアジアの果実/嫌いな食べ物:都会で売れ残った渋い果実。

 

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