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人魚を生業とする女たち

投稿日:2008年9月7日 更新日:

うちには、友人、知人がパタヤに遊びに来た際にくれた本が、結構な数ある。タイで生活する僕にとっては、非常にありがタイ置き土産で、ふと日本の活字に飢えると、それらの本をむさぼる様に、読みふけることになるわけだが・・。と、、そんな中で、面白い本を読んだので、ひとブログ。琵琶湖のほとり、雄琴のソープランド街を舞台に繰り広げられる、哀愁こもった感動小説。【惜春】花村萬月

mangetsu

ざっくばらんな日常と、ワケありな現実に生きる泡姫たちの生活模様。そして、そこでボーイとして働くウブな青年を中心に、物語は展開していく。ピュアな性格の佐山は、まだ、世間も女もよく知らないチェリーボーイ。派手で艶やかな世界にひそむ大人たちの裏事情、、異質で異様な空間に揉まれ溺れそうになりながらも、彼は、着実に大人への階段をかけ上がっていく・・。という情緒溢れる青春ストーリー。

「フムフム・・・」と、タイ(パタヤ)にも存在するソープ事情、夜の世界のことなども併せて重ね感じつつ、一気に読み干し、しみじみ思案にふけってしまった僕であるが、その中で、「ナルホドなぁ・・」と感じたのが、アワ姫たちの激務を物語る内容の一節。(↓要約すると・・)

売れっ子ともなると、一日の営業時間の中で、5回転、6回転は当たり前・・がアワ風呂を生業とする娘たちの日常。連日連夜、繰り返される単調な作業。そんな石けんまみれの日々は、(実際)彼女たちの身体の脂(あぶら)をそぎ落としていく。一方、毛穴に浸入したソープの脂(アブラ)は、詰まったパイプのように身体中にフタをし、皮膚呼吸を困難にさせる・・というわけだ。何か、一種の「職業病」とも言えるが、そんなボロボロの身体をケアすべく、彼女たちは、休みの日ともなると、サウナやスパに通うことになる・・。身体に脂気を取り戻し、潤いを持たせるための応急処置とも言えよう。そして、それはお風呂で稼ぐタイの女たちが実践している行動とダブることも確かな事実である。

いつもどんな時代でも、性産業は存在してきたし、これからもそうであろう。人間の性質上、それが消え去ることは絶対にあり得ない・・。(とも思う)そして、そんな世界の王座として君臨し続けてきたトルコ風呂、、現ソープランド。実際、アワ姫たちの仕事は過酷の一言に尽きるが、彼女たちの視点は、常に「短期間で大金を稼ぐ・・」という一点のみに向けられている。そして、彼女たちをそうさせるシビアな現実が根底にあることも、紛れもない事実である。客にしたら、お手軽な価格で一発抜いトク?と愛用する人が多いタイのボディマッサージ。

とは言え、売れっ子娘たちは毎月20~30万B近い、一般とはかけ離れたレベルのバーツ紙幣を荒稼ぎしているのが現状である。客と彼女たちとの生命線―「ひな壇」からは、艶かしい素振りと視線を送ってくるアワ姫たちの姿が・・。それは、卑猥な雑談とリアルな現実が交錯し、充満する「金魚鉢」の中に閉じ込められた人魚のようでもある。

物語のクライマックス、、「彼女たちは、汚れているのか?」という言葉を、筆者は投げかけてくる。石けんにまみれた日常は、彼女たちの現実をも、きれいに洗い流してくれるのだろうか。それとも、心身ともにボロボロ・・とウロコをそぎ落とされた魚のように、、彼女たちを非人間的なものへと導くだけのものでしかないのだろうか。ただ、今日も、また彼女たちは浴槽の中を、華麗に泳ぎ続ける。疲れ果てた人魚のように、華やかな夜の世界を、泥臭く泳ぎ続ける。(むっ、、何かワケ分からん文になってしまったか・・汗)

パタヤ(夜遊び)ナイトライフ

 

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