とある日の夜の出来事。知り合いのタイ人(=男子)が、深夜、バイクで事故ったという連絡を受けた。何でも遊びからの帰宅途中、飲酒運転で対向車(バイク)に激突したらしい。それは大変だ。翌日、ボクは見舞いを兼ねて病院へと足を伸ばした。パタヤ郊外にある大規模な病院に運ばれた彼。ボクらが見舞いに行ったときには、すでに雑居部屋に移されていたが、昨晩は集中治療室に運ばれ、頭内から体の隅々まで検査を受けたらしい。
そして、その容態もすさまじかった。両手、両足は数箇所に渡り骨折、あばら、首なども損傷していて、顔中は包帯だらけ。地面で打った右ほほ内の歯は、奥歯もろとも10数本折れて、半ば歯抜け状態と化していた。もちろん、体中、何針縫ったかわからないほどの包帯まみれ・・。
「いったい、どうやったらこんな事故してしまうんだろう」などど考えてしまったが、更に驚くのは、彼から発せられた言葉だった。何でも事故った直後は、まだ体に緊張感もあり、ウ~ウ~とうごめいていたらしい彼だが、そこににわかに集まった周りのタイ人(野次馬連中)は、彼が苦しんでいるのを、ほぉ~とかへぇ~とか言ってただ見物するだけで、誰も手を貸してくれない、出血している人を前に、救急車のひとつも呼んでくれなかったというからすごい。
更にその野次馬の中の一人が、おもむろに彼に近寄ると、彼が首にしていたネックレス(金)を引きちぎり、そして、ズボンのポッケからはみ出した財布を奪い、逃げ去ったというのだ。
ううっ、、こんなに治安が良いと思っていたパタヤにも、やはり、そんなヤカラはいるのか・・・。彼は、その後、バイクもよそに自力で家まで帰り、彼女に病院へと連れて行ってもらったらしい。さすがタイ人。日本だったらそんなのあり得ないなんて思って妙に感心(?)してしまったが、彼は、なんとその日(事故った翌日)には仲間に連れられ、家へと帰還してしまったのだった。
「えっ、そんな重症だから、病院でしばらく安静にしてなきゃいかんでしょ?」。そんなボクの心配をよそに、彼はこう告げるのであった。「マイ・ミー・タァン (ここにいる金がないから)」。「汗・・・」。そういえば、タイの病院というのは、日本のそれとは違い、金がない奴には全く用はないといった悪魔のようなシステムだと聞いたことがある。
ううっ、、恐るべし!タイ人。
皆さん、タイ人の運転(特に若者)は危険なので、交通事故にはくれぐれもご注意!?