(最近)パタヤのあちこちでチムチュムと呼ばれる屋外ナベが流行っている。いわゆる日本でいうところの水炊きのようなもので、土鍋にだしを取ったスープを入れ、その中に野菜や肉などを入れてぐつぐつと煮込んでいく。もちろん、炭火使用。皆でワイワイ酒でも飲みながら、タイお決まりの辛いたれで食べるというイサーンスタイルなのだが、どの店もパタヤ在住のイサーン人で連日盛況である。
と、さっそく行って食べてみたが、これが案外イケる!夜の星空を仰ぎながら、無造作に敷かれたゴザの上に座り、簡易ちゃぶ台を囲む。ママゴトのようでもあり、かなり安っぽい感は否めないが、バービヤやGOGOなどのネオン街にむしばまれつつある僕には、まさに癒しの空間である。
そして、酒も食もおおいに進み、更にブタ肉と野菜を1セット注文する。「んっ!?」。ふと、空を見上げると空模様があやしい。「これ、雨なんか降ってきたらどうするんだろうね。ゴルフの時みたいにパラソルでもあるのかな。」と、疑問に思い始めた数分後、本当にスコールがやってきた。
こういう時のタイ人はすごい!今までヤンヤヤンヤと周りでナベを囲んでいた連中は、「フォントック・マ~レオ(雨が来た~)」の掛け声の元、皆が皆、一目散にある方向に走り出したのである。僕らもつられて同じ場所へと避難する。で、そこはいわゆる掘っ立て小屋で、まさにこのような場合(スコールのため)に準備され立てられているようだった。(汗) もちろん、今までのナベはこのスコールで台無しである。
と、後ろを振りかえると、ある家族Aはナベをチャブ台ごと小屋に運んできていた。雨宿りしてきた他の人をよそに、掘っ立て小屋の中でナベの続きを再開する家族A。やはりタイ人という人種はたいしたものです。(苦笑)さてさて、一向に止む気配を見せない雨と、小屋に非難した食事途中の客たち。すると、カサをさした店の店員が、おもむろに我々の前に姿を現した。しかも伝票を持って・・・(汗)。
もちろん、雨にやられ、もう食べることが出来なくなったナベ。というわけで、さっそうと会計をしにきたわけである。(うむ。多分こういうことよくあるのね) だが、ふと思った。「これって、注文したばかりで、まだ何も食べていないのに、雨に降られた人はどうなるんだろう。まさか、何も食わずに会計だけ払わされるなんてムゴイことないよね…」。
と、横にいたタイ人カップルBから予想通りの一言。「私たち、まだ何も食べてません…(ちょっと憂い顔)」。ま、さすがに店員も鬼ではありません。このカップルは支払い免除になってましたが、いやいや、やっぱタイ人って人種は、雨と共に生きてるのだなと、つくづく思う日でありました。