前回の日記で、パタヤで起きたおぞましい事件簿を書いたが、、、それから3日。被害者の彼は、いまだ病院のベッドで目を覚ますことなく昏睡状態が続いているという・・・。それでは、肝心の犯人は?その後の警察の調べによると、ようやく犯人の目星がついたとのこと。(実は)犯人と被害者の彼は、特に友だち同士という関係ではなかった。彼らはどちらも、タイ人がよく行くパブレストランの常連客だった・・とのことだった。事件の経緯は、こうだ(↓以下)。
◆パタヤ事件簿―その2
仕事帰りなどに被害者の彼(=A)が、よく仲間との飲みで利用していたパブレストラン。そこには、いわゆるサービスガールがいる。ハイネケンガールに、シンハーガール、、解放的な空間に、生バンドが入り、みなでワイワイ酒を飲みながら、タイ食をつまむ。日本で言えば、ビアガーデンといった感じだろうが、タイの若者、一般のタイ人が、これらパブレストランで働く女性を口説く光景も、日常的なものである。小金持ちのオッサン連中が、ミアノイ(めかけ)を見つけるのも、これらパブレストランであることが多いようだが、、実際、今回の事件の犯人である彼(=B)も、行きつけの店で気に入った女性がいたらしい。しかし、狙っているサービスガールは、事件の被害者となる彼(=A)に、首ったけ。そして、その嫉妬心から、Bは、モテモテAの顔をモテなくさせることを決意。今回の事件に繋がったという、いきさつである―。
金銭目当ての盗難事件に、拉致、殺人事件。観光客が多い、人が集まる都市ともなれば、それは世界各国どこでも起こりうる事態である。金がある所に、人は寄ってくる・・。 でも、タイは治安が悪いとよく言われるが、実際、タイに住んでみると、そうでもない。僕は、日本のほうがよっぽどタチが悪いように思う。人さらいが怖いからと、日本の親たちは、子供の学校の送り迎えに気を使う。通り魔が怖いからと、夜、出歩けない人々。人が集まる所なら、どこでも危険(?)。いきなり、、無秩序に、、そして、無関係の人々に向けた事件は、全くもってタチが悪い。
タイでは、そんな事件は、あまり起こらない。だから、普通に生活していれば、特に怯えることも、心配することもない。ただ、、タイ人は、情熱的に生きる民族だけ合って、人への優しさや情が深いのも確かだが、その分、裏切られた時、自分の思い通りにならない時の反発力がすさまじいことも確かである。タイ映画やテレビドラマにもよくあるように、真逆のベクトルへと方向転換した情熱的な心は、、おそろしいばかりの恨み・・となって爆発する。田舎部には、古くカンボジアや、ミャンマー系統の生まれも多く、「ブラックマジック」と呼ばれる、念術じみたものもあったりするが、やはり、殺傷・殺人事件となると、情に溺れた・・情に駆られた・・という原因が多いように思う。
まだ捕まってはいないが、今回の事件の犯人は、20年の禁固刑になるだろうとのこと。彼(=B)は、モテ男の彼(=A)への嫉妬が理由で、今後、20年間オリの中で暮らすことになるのである。もちろん、そんなこと彼(=B)は知らない。ただ、その時。その瞬間を、情熱的に、感情的に、行動に移すのがタイ人なのである。そして、それは、タイ人同士。 タイ人-外国人という関係でも同様のこと。僕が、よくタイ人を子供のような性格だ・・と感じるのも、こういった視点もあるからだ。そこには、当然のごとく、理性はない。子供が他人のおもちゃを横取りする。浮気者の旦那のナニをぶった切る。それは、ただ、ただ、ジャイアン的発想の上での行いなのである。
そして、僕は、この国では、もちろんのこと外国人。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは言うが、、この国では、虎穴に入りすぎるのもどうか・・とも思う。というわけで、目立ちすぎず、当たり障りなく、適度な感触でタイという国に接していこうと思う、パタヤの今日、この頃である。