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タイ牛のイサーンな憂鬱

投稿日:2010年9月15日 更新日:

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(先日)在タイの友人から聞いて、何とも興味深い話だなぁ・・と共感を抱いた話―。それはあるイサーン(東北地方)出身のタイ人女性が、昨今の田舎(農村部)の現状について、しみじみ嘆いていた話で、その思いの矛先はへ向けたものである。 彼女曰く、最近の農村地方では、どうもご機嫌斜めで人見知り、おびえた目をするたちが増加中らしい!?

なぜ?それは文明の利器、トラック(車)やトラクター(耕運機)といった新たなライバルたちが出現し時代とともにじわじわ農村部を席巻。これまでは家畜として重宝されてきただったが耕す仕事に運搬などの力作業もなくなれば、人間たちからの愛情も注がれなくなってしまう。そして、実際、人間たちは彼らの体のノミ取りをしてくれなくなった。そして、ストレスが溜まり、いつ喰われるか、売られるかと怯えるたちは、怪訝な目つきをするようになったとさ・・。バックにBGMで「ドナドナ ドーナー ドーナー♪」でも流れそうな悲しい話のようで、何とも仏教徒らしい慈悲深い考え(発想)だなぁ・・と僕は(ある意味)感心してしまった。

そもそも、タイでは牛肉を食する文化(習慣)があまりない。もちろん、干し肉や和え物にバーミーなど、タイ食の中に牛肉を使ったメニューは多々ある。しかし、実際、牛肉を好んで(選んで)食するタイ人は意外に少ないように感じる。どちらかと言うと、鶏肉や豚肉のほうが定番とも言えそうだ。また、日本で牛肉(特にステーキ)は高価な食だが、タイでは肉類よりも魚介類(海の幸)のほうが高価!?といった雰囲気の価値観があることも確かである。(多分)

僕は(日本時代)牛肉が大好物だったが、タイでは全く食べなくなった。それはタイの牛肉が硬くてまずいからだ。そして、スーパーではタイビーフの他、オージービーフを見かけるが、庶民が行くような市場では、鶏肉や豚肉ばかりで牛肉はあまり見かけない。また、タイの牛乳(ミルク)も美味いとは言えないし種類も少ない。更に、バターやチーズも高価で欧米からの輸入品ばかり。乳牛もあまり見かけないし、いったいタイの酪農産業はどーなってんだ?とはよく思うことだが、実際、国民の需要が少ないのが現実なのかもしれない。

とにかく、に関する食産業(企業)の絶対数が少ないように感じるタイランド。なぜなのか?それがきっと文化(習慣)なのだろう。農作業を手伝う家畜としての役割を重要視した人々、とりわけ田舎でを育てた(共に育った)経験がある人は、同情的な視点で牛肉を食べない。あるいは、その土地に根付くタイ仏教ととの間に何かしら関連性があるのかもしれない。仏教徒は菜食主義を好むという側面もあるだろう。ちなみに、僕のタイ妻も牛肉を食べないが、その理由は生臭いから・・とのこと。欧米文化が浸透してきているとはいえ、(総じて)人々は好んで牛肉を食べない傾向にある。

牛乳(チーズ)といった乳牛と欧米食向けの食用牛が、更に台頭してくる可能性はありうる。しかし、それはイコール文化=タイ仏教の衰退へと繋がる側面もあるような気がする。そして、家畜としての(特に水牛)の居場所は国の先進化とともになくなりつつある。「モウー喰われるだけは勘弁・・」。牛たちの瞳は、そう訴えかけているのかもしれない。

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