今月の8日に開幕し、現在開催中のEURO2012(UEFA欧州選手権)。サッカー好きの僕としては、W杯の合間にある4年に一度の国際大会とあって毎回楽しみにしているイベントでもある。そして、今年の春に新居に引越し、そのついでとばかりに有料ケーブルTVのTrueVisionsに加入。これで普段から欧州各国リーグを観戦できるばかりか、つい先日はW杯アジア最終予選3連戦も見届け、「さて、次はユーロ2012が始まるぞ!」と、対戦国情報(グループリーグ組み合わせ)をチェックし、意気揚々と開幕日を迎え、テレビのチャンネルを回したのだが、今大会の放映チャンネルであるタイ3chがなぜか見れないのであった・・。(むむっ!?)
画面上にはEURO2012の大会ロゴとともに何やらタイ語の表記が流れているだけ・・。すかさず、他の衛星チェンネルを回してみるもどこもやっていない。「いったい何事だ!?」と不審に思い、タイ嫁に3chの画面表記を読んでもらうと、放映権のトラブルで配信がなされていない状況だとか何とか・・。「ま、まじかよ・・最悪)」。こりゃUEFAとTrueが放映権料なんかで揉めたのか?などと懸念したのだが、その後テレビニュース等で知った情報によると、今大会の放映権を獲得した大手エンターテイメント会社GMM GRAMMYがTrueへの配信を認めなかった・・という経緯で、そんなことってあるのか。いや、さすがアバウト国家タイというだけのグダグダぶりなのである。
タイ嫁に言わせると、「ここ最近、勢いのあるTrueにグラミーがイチャー(嫉妬している)のよ」。ということで、モバイル・インターネット市場(Wi-Fi、3G通信)ですっかり人気を勝ち取り、しかも、サッカー好きが多いタイだけに欧州サッカーリーグを観戦できる衛星放送(ケーブルTV)でも半ば独占状態にあったTrueに対し、グラミーが結構な金額(配信料)を吹っかけたのかもしれない。ま、そんなわけで、TrueでTV受信しているタイの家庭では現在EURO2012が観戦できない日々が続いているという状況なのである。パタヤの街中のレストラン、バービアなどでも欧米人相手の客寄せにと衛星放送を流している店があるが、中々、困ったことになっているのではなかろうか。
と、思い返せば、引越し前のアパートならパタヤローカル局のソフォンケーブルTV受信だったので、今頃は観戦できていたのに・・という何とも言えぬ皮肉ぶりである。ま、True以外で受信しているその辺のバービアにでも毎晩出向けば観戦できるだろうが、やはりサッカーはじっくり家で一人で観戦するのが僕の楽しみなのである。それを今更、大会開催中の段階になっても放映権を巡る双方のトラブルが解消されていないなんて嫌がらせ以外の何物でもないし、何というお粗末なお国柄(国民性)であろうか・・愕然)。
ま、そんなわけで、「こんなこと有り得ない・・ほんで、その内見れるようになるだろう・・」と、軽くタカをくくっていた僕だったが、毎晩、相変わらずの静止画面・・とライブ観戦できないもどかしい日々は続くばかり。そして、そんな肩透かしな状況のまま、あっという間にグループリーグも終わり、いよいよ21日からは激戦を勝ち抜いた国々によるベスト8、ファイナルラウンドが始まってしまう。これまでは連日インターネットで翌日ハイライト動画をチェックしているだけの切ない毎日だったが、もう我慢ならぬっ!!というわけで、ようやく重たい腰をあげ、テスコロータス(北パタヤ)にあるTrueに出向くことに・・。
と、、用件を聞いた店員は、「申し訳ございません、ユーロ2012は見れません・・」の一点張り。何か別アンテナ使用とか対策(サービス)でもあるのだろうと期待していた僕だったが、True側はお詫びの印として、現在全ての会員に対しプラチナムパッケージの視聴ができるというサービスを提供しているのみ。あとはバンコクのカスタマーセンターに電話して聞いてくれ・・という回答だった。毎月1.400バーツ(ゴールドパッケージ)も払っているのにマジ最悪・・。ふと見ると、店内の棚にはEURO2012のパンフレットが切なく並んでいる。「見れないんだったら、陳列するなよ!」と文句の一つでも言いたくなったが、おそらく僕みたいに苦情を言いに来た客は多いに違いない。とにかく、ユーロ関係の話になると店員は押し黙り、「視聴できません」を繰り返すばかりであった・・撃沈)。
そして、タイ嫁が最近見たテレビニュースによると、ようやく放送(通信)委員会だか、法廷だかの裁判争いになっている模様で、何とか開催中に解決したいなんて話になっているようだが、果たして。と、その辺の電気屋で売っている簡易受信アンテナを購入すれば視聴可能?なんて話もあるようだし。ま、とにかく3chの電波を拾えればいいわけであって。と、もう待ってられないので、決勝ラウンドが始まるまでには何とか対策を講じなければ・・としみじみ思う、陰鬱な雨季パタヤの夜更けである。