タイに住んでうんざりするものと言えば、雨季に頻発する停電事情が筆頭にあげられるが、同じ電気でも、ふとした時に僕がよくやってしまうのが電圧トラブルである。何か電気製品をコンセントに差し込もうとした瞬間「ビリビリッ!」。パソコン裏の乱れた配線状況を直したり、掃除している時に「ビリビリッ!」。それは日本の倍の高電圧220Vの電流。日本で感電した場合がピリリならタイではビリビリッ!とその衝撃もずっしり重く痛い。そんなわけで普段からコンセントを使う際は感電に用心しているのだが、それ以上に厄介なのがタコ足(延長コード)によるファイショート(電気ショート)である。
その辺のスーパーに行けば100バーツ程度で買えるタイのタコ足(延長コード)であるが、作りも簡素なためすぐ壊れるし漏電も度々。だから、なるべく海外製など幾分丈夫なものを使うようにしているのだが、それでも、ふとした時にやらかしてしまうのが電気ショートである。日本の電気製品をタイで誤って使ってしまい壊してしまったことがある人はいるかもしれないが、タイ製の電気製品でもショートして壊れることが多々あるのだから厄介なのだ。僕は以前にパソコンとDVDプレイヤーが実際「ボンッ!」とモクモク煙を吐きあっという間に壊れてしまったという苦い経験があるが、コンセント使用時に火花が散ることなど日常よくあることである。ま、そんなわけで、僕の見解としては家電製品はなるべくコンセントを差し込んだ状態のままで保っておきたいのだが、嫁(タイ人側の見解)としては漏電が恐いので毎回コンセントを挿して抜いてとやりたい派なのである。(電子レンジも炊飯器も湯沸しポットも全部・・)そして、ある日ふとコンセントを挿した瞬間、突然ファイショート(電気ショート)の悲劇は訪れる。
まさにバッドラック(マイミーチョクディー)な日。それは昨晩のことだった。料理中のタイ嫁からの嘆き声に何事か?とキッチンに駆け寄ってみると、そこにあるのは壊れたタコ足×3つとピクリとも動かなくなってしまったIH(クッキングヒーター)の無残な姿だった・・。嫁曰く、IHのコンセントを挿した瞬間火花を吹きファイショート↓。タコ足が壊れたかな?と今度はその辺にあったタコ足をかき集めて挿してみるも全壊。どうやらIH本体の内部機器が完全にいかれてしまったようである。これまではタイ風とも言えるガスコンロを重宝していたが、最近は卓上のIHが1.000バーツ程度と手頃な価格で出回っていて、火力もすごいし、これは使い勝手がいいと某日本メーカーのIH(3.000バーツ程)を新しく購入して、まだ半年も使っていないのにこの様である。きっかけはIHのコンセントを挿した瞬間。IHが悪いのかタコ足が悪いのか、とにかく変な具合に電気が流れてショートしてしまったのが現実。そして、これは日本メーカー云々の問題ではなくタイの電圧が間違いなく強すぎるのだ。(いや多分)
ていうか、日本で電気製品がショートして漫画のように火を吹いて壊れた経験なんてないし。タイ嫁は「やっぱりIHは電気も食うしガスコンロに戻そう」と提案してきたが、電気代なんて微々たるものだし、僕としては手軽なIHを手放すことなどできない。さて、そうなると修理だ。購入してまだ半年も経っていないし1年間は保証があるだろう。そんなわけで、購入時のレシートと保証書を探し出して、翌日、購入したパワーバイ(PowerBuy)に行ってきた。フードランドの先(中央パタヤ)に新しくできた大型店舗で日本メーカーの品数も多いし、サービスもしっかりしてそうなのでよく利用している店だが商品の故障はこれが初めてである。壊れたであろうIHとレシート・保証書を手にサービスカウンターに行くと、再度スタッフが故障かどうかを確認し、パソコンで保証修理の資料を作成する。タイ人にしては中々の仕事っぷりだ。
そして、印刷された修理手続き書と故障したIHを手に、今度は店舗裏手の修理センターに促される。サービスカウンターもしっかりしているし修理センターまであるなんて大したもんだ、さすがタイで支店を多く持っている大手は違うなぁ・・とふと感心してしまった。そして数分後、修理所の受付のお姉さんは再びパソコンにてデータ作成~修理受諾のスタンプを押すと、「リェップローイカー」。全ては整いましたとばかりに紙切れを手渡し、修理受付終了を宣言。ここまでの流れる作業にただ感心して黙っていた僕だったが最後にようやく口を開く。「これって修理費とかかからないよね?」。「明日バンコクの修理センターに発送しますので詳細が分かったら連絡いたします」。「ああ、そうなの。で、修理が終わるのはどれぐらい?」。「およそ一ヶ月です」。「はぁ!?一ヶ月?一週間じゃなくて??」。びっくりたまげる僕に苦笑いをうかべつつ再度一ヶ月だと告げる受付のお姉さん。アメージングタイラーンド↓。
なんじゃそりゃ・・と予想を上回るオチに落胆した僕は、どう考えても一ヶ月も待ってられないのでIH2号機を購入することを即決。でも、ここで再購入するのも何だか腑に落ちないので、今度はビッグCにて1.300バーツと安めのタイ製メーカー?その名も「Hanabishi(ハナビシ)」なるメーカーのIHを購入してみた。僕は電化製品は基本的に日本メーカーでいきたい派なのだが、タイ嫁の「タイだからタイメーカーの方がいい」なんてワケの分からん理屈にふと乗っかってみたのだった。そして、早速、家に帰ってIH2号機にスイッチを入れた嫁は一言。「このIH、音がうるさい・・」。ま、タイだけにそんなグダグダなオチがお似合いなのであろう。そして、長引いた雨季の様相もようやく晴れ間が広がり乾季に様変わりしそうな気配を見せるパタヤこの頃である。