さて、日中猛暑の下ゴルフで腰運動(スイング)を繰り返した御仁たちはタイマッサージで疲れた足腰をほぐしすっかり元気回復。のんびりした南国の町並みがネオン織り成す熱帯夜を迎えると、ED錠とコンドーさん持参で賑やかな夜の街へと溶け込んでいく。先ずはシンハービールで乾杯!ハイネケン、サンミゲルライトにバカルディーレモン、ジャックダニエルにジントニック、ウォッカトニック、そしてテキーラ、B52などのショット系と共に酒盛りは続き、ゴーゴー、バービアの南国はしご酒は夜な夜な繰り返される。
バンコクはナナ(NANA)のレインボーグループ。お決まりのコースは2階のレインボー4から始まり、同じく2階のレインボー3、そして1階の1、2と回る。相変わらず日本人で賑わう店内ステージ上のタイレディーたちは専ら整形自慢の様相を呈している。そして、陽気さと活気溢れる雰囲気の中、酒がミックスされれば、すっかり思考能力は麻痺し、全てはその空間内における欲望の開放へとわが身は誘われていく。1階のレインボー1に行く途中、ほろ酔い加減で千鳥足の僕は不覚にもその隣りの店(オカマゴーゴー)のニューハーフに手を取られ、店内に引きずり込まれてしまった。その刹那、見るからに20代半ば頃の若い日本人青年が見るからに骨太長身のオカマちゃんに手を取られ満面の笑みを浮かべながら店を出て行く場面に出くわした。「日本人の彼は全てを承知してタイ人の彼を連れ出しているのだろうか・・」。そんな思いがふと酔いどれの脳内を駆け巡り、気づけばソファー席に促されていた。
「ま、タマにはいっか」と腰を下ろすとステージ上~店内のオカマちゃんたち総勢が目前に迫り、私を指名してとばかりに執拗なアピールを繰り返す。何だかホロ苦いがタニヤに来たような気分。そして、半ば強引ながらも自分のタイプらしき彼女(?)を呼んで隣に座らせてみる。どう見ても細身で華奢で可憐な女性のような彼女(?)は明らかに整形顔でシリコンおっぱいであるが、サラサラした黒髪にいいオイニー(匂い)が漂ってしまうとほろ酔い加減も手伝って自律神経はどこへやら、まさに本能に身を任せるがまま、ふと我に返れば危うく落とされそうになっている自分がいる。恐るべしオカマのゴーゴーバー。よくよく見ると厚化粧を
まとった表情の奥(向こう)には何となく男性らしき素顔が見え隠れする。しかしそれはタイ人女性をよくよく見ると意外にサル顔だったりゴリ顔だったり感じる瞬間があるのと同じ程度のもので、そこではそれが至極当然の世界のように感じてしまうのだから何とも困ったものである。(酒のせいか?)
そして、「ペイバーミー(私を連れ出して)」と迫り来る彼女に対し、「NONO、飲むだけだから・・」と返答を繰り返す僕だったが「ドンスケアミー(私を怖がらないで)」、「トライミー(私を試してみる?)」といった強引な誘い文句とフェロモンムンムンな仕草に感覚神経は蝕まれていく。そして頼んだ酒も底をつきそうになった頃合、ここでようやく誘いを断ち切るためか、はたまた核心を確かめたかったのか、恵比寿顔でシリコン巨乳をモミモミさせてもらいながらも、「ところで下の方はどーなってるの?」と最後の質問を投げかけてみる。「下はまだ付いてるワヨ・・(工事前)」。と、その瞬間、僕の視線は華奢な彼女の身体をまとう純白ビキミへと誘われ、小さくまとまったその三角コーナーの内側に彼女の男性自身が潜んでいることを想像してしまい、酔いも覚めるほどに我が日常世界に帰還、まさしく我に返ったのだった。というわけで、ここで一句。「ほろ酔いで オカマのゴーゴー いざなわれ 気づけばそこは 魔性の館」。「ほぼオンナ シリコン整形 お見事で パラレルワールド ほぼ五里霧中」。
そして、パタヤが誇る歓楽街ウォーキングストリート。しばらく行かないうちにシュガーベイビーだのマンダリンだの新しいゴーゴーバーが数軒オープンしていた。そんな中「ギンザGinza」という名のゴーゴーバーがあり日本人オーナーか?と思いきや、実は中国人が経営しているらしい。どうにも日本人に人気の店を模倣しているような雰囲気であるが、そのシステムまでも真似しているような感じでジャパンブランドの人気ぶりに満足感を覚えながらも、商売にがめつい中国人のあざとさに苦い感心を抱くのであった。(訂正↑後々耳にした情報によると日本人経営の店らしい・・)
それにしても、ここ最近の円安にバーツ高で1万円あたり3.000~3.100バーツ程と下降線を辿り、日本人観光客には困った傾向が続いているがタイの物価上昇も相まって夜の相場も上昇中の様相だ。バービアはペイバー(バーファイン/連れ出し料)300Bにショート1.000~1.500B、ロングなら2.000~2.500Bというのが半ば当然のようで、ゴーゴーバーも軒並み上がりペイバー600~700B、ショート2.000~2.500B、ロング3.000~3.500Bといった感じ。明らかにバンコクの相場がそのままパタヤに広まった感のある日本人の定番ゴーゴー店。何でも某人気店になると、数ヶ月前にペイバー700B、ショート3.000B、ロング4.000Bに決まったとか何とか。この相場は店側の設定価格であり全員がそうなのだという。そのうちバンコクみたいに日本語で書かれたプラスティックボードが登場することだろう。そして、リンゴジュースと赤ワインを混ぜて薄めたような安っぽいがバカ高いレディドリンクを何杯も奢らされるという店側ウハウハシステム。ああ、B級リゾートパタヤはどこへやら。で、こうなるとさほど相場が変わっていないソイ6(ショートタイム通り)やMP(ボディーマッサージ)に群がる日本人が更に増加するというわけだ。
一方、そんな中でも欧米人に人気なのはやはりエンターテイメント&セクシーショーに凝っているエンジェルウィッチにワッツアップ辺りだろうか。最近では欧米人の老夫婦にカップルといった客層も見かけるようになってきた。そして、ウォーキングのゴーゴーにも引けを取らず、ここ数年で賑わいを見せてきたのがソイボッカウ~ソイダイアナが交わるエリアにあるL字型の通り、通称ソイLKメトロ。長期滞在の欧米系オーナーが多くイングランド人を中心に着々といろんな店が増えてきたという経緯だが、どちらかと言うと以前は昼間からバービアとかショートタイム系といった雰囲気であったが、今ではゴーゴーバーが軒を連ねる賑やかな通りに変身した。ウォーキングに比べレディーのノリも良く、幾分場末感が漂うが、欧米人の活気で溢れる古きよきパタヤをふと思い出す瞬間もあったりする。また、どう見ても田舎のオデブちゃん(プンプイ)や年増レディーしかいないような店にも遭遇するがそれはそれで泥酔ファラン親父たちの掃き溜めとでも言うべきか、哀愁漂う異様な盛り上がりで繁盛している店もあり、さすがはパタヤの受け皿の大きさに改めて驚嘆する夜であった。
そして、ちょうど同時期にアメリカ海軍(ネイビー軍団)がぞくぞくパタヤに上陸していたようで、その辺の観光客以上にノリノリで溜まりに溜まっているだろう彼らの飲酒狂乱ぶりを酒の肴に夜な夜な酒を浴び続ける日々であった。(パタヤ~パタヤ~)