（ここ数日）バンコクにぷらり行ってきたのだが、雨季のスコールに見舞われる日がしばしばあった・・。と、スコールと言えば、バンコク滞在中に最も面倒なことの一つが雨に降られた時（特に雨季）の強気なタクシードライバーである。とある日のバンコクの夕暮れどき。伊勢丹付近をウロウロしていたら、突然のスコールに見舞われてしまった。その辺のタイ人共々、建物の軒先に非難する・・。その後、雨足の強さが増すたびに、時間が経つごとに増え続ける軒先非難組の人々。圧倒的なタイ人の群れ・・・、そして我々に、観光客のファラン（欧米人）×数人。
10分、20分、30分・・・。雨は全く止みそうもない。そして、帰宅時のラッシュアワーと共にバンコクの交通渋滞は、益々、その混雑さを極めていく。ああ～とってもウザイ状況。あっという間にズブ濡れコース間違いなし！の降水量のため、ちょっと頑張って、バス停まで・・とか、BTS駅まで・・など考えるヤカラは、その場において少数派である。そして、待つことに耐えかねた人たちは、ついに動き始める・・・ことになる。
（先ずは）強い雨が降りしきる中、タイ人オバサンと、女学生の二人が果敢にチャレンジ開始！！もちろん、そのお相手はタクシードライバーである。１台、２台、３台、４台と、（次々）客を捕まえに歩道へと徐行してくるタクシー群。運転手の態度は、どれもすこぶるエラそうである。
客： 「パイ●●●ダイマイカァ？（●●●まで行けますか？）」。
運転手： 「サムローイバァー（300バーツだ）」。
観光客に対してだけではない。彼らは、タイ人に対してさえも、悪魔のように冷徹な態度で、そして、嫌味なほど余裕の表情で、平然とボッタクリ価格を提示している。もちろん、メーターを押してくれるような心優しい運転手なんぞ、バンコク渋滞地帯には紛れ込んでこない・・・。そう、渋滞＆スコールというタクシードライバーにとっての好条件が揃ってしまうと、彼らはとてつもなく強気なオッサンへと変貌してしまうのである。そんなわけで、およそ10数分・・。タイ人オバサンと女学生の二人は、約10台近くの車に声をかけるも、全て撃沈↓（交渉不成立）。すっかりズブ濡れになり、雨宿り場へと戻ってくる二人。観念した様子。おそるべしタイランド。
（そんな折）新しく参戦してきた欧米人オッサン二人組だったが、タイ人ですら、メーターを押してもらえないのに、英語しか話せない観光客が上手く交渉できるはずもないシビアな現実。全くメーターを押さないタクシードライバーの連続に苛立ち、オッサンの怒号は絶え間なく響く。降りしきる雨に、欧米人たちのウンザリした様子。タイ人たちのため息、そして、諦めた様子。そんな、どうしようもない重い空間が、雨季のどんよりとした空気と共に連鎖、交錯していく・・・。
「ああ～雨さえ止めば・・」。しかし、雨は一向に止みそうもない嫌やーな雰囲気は続く。そして、雨宿りを始めて小一時間。タクシーに乗れたのは、ぼったくり料金500バーツを渋々受け入れた欧米人４人組のみ。残りは、ことごとく全滅。すっかり雨宿り場は、20～30人ほどの大混雑。そして、人々は、ここでようやく妥協を始める。そう、（多少）雨に濡れてでもトゥクトゥクである。
客： 「パイ●●●ダイマイカァ？（●●●まで行けますか？）」。
運転手： 「ソーンローイバァー（200バーツだ）」。
しかし、当然のごとく、「待ってました！」とばかりに、トゥクトゥクもボッタクリ料金・・（撃沈↓）。そして、雨は降り続け、大勢の人々は雨宿りに終始。その前にエラそうな態度のトゥクトゥクの列と、ボッタクリ料金でもＯＫな客を求めウロウロしてやってくるタクシー群。という全く噛み合わない状況。そして、タイ人たちは、周囲の人たちと行き先を確認しあい、相乗り客を求めて、ようやく三人とかで一台のトゥトクトゥク（ボッタクリ料金）にギュウギュウ詰めで乗り込み、雨に濡れながらも、何とか、家路へと帰っていくのであった・・・。（なんじゃこりゃーー！！優作風に・・）
（最近）不況だから、タクシーもスムーズに格安価格で交渉出来るよなぁ・・なんて甘く見ていたらこんなオチ。そう、彼らは、今、不況だからこそ、稼げる時に何としてでも稼いでおきたいのである。というわけで、雨季にバンコクを訪れる予定の皆さん。スコール時には、とにもかくにものんびり雨宿りぃ～。雨が止むまで待つのが一番よろしい（無難）かと思われます。
