以前にも書いたことがあるが、タイでは曜日占いとか、曜日別仏陀など、曜日にまつわる事柄、話が日常に溢れている。更に、もう少し突っ込んで言えば、曜日占いでは、唯一水曜日だけ「午前生まれ」と「午後生まれ」に区分けされる。そして、曜日別仏陀でも、水曜日に限り二種類の仏陀があるのが当然とされている。それだけパワーが強い日ということなのだろうか、それとも何か仏教的な因縁でもあるのだろうか。細かい理由は知らないが、とにかく、タイでは水曜日は、（どちらかと言うと）「不吉な曜日（神秘的な曜日）」というような意味合いで、人々に受け止められている。「水曜日には散髪してはいけない・・」とか「美容室の定休日は水曜日が定番・・」など、ちょっとした日常景色からも、それは伺えるが、そんな忌まわしき（意味ありき）水曜日。それは、６月２日（昨日）のことであるが、僕の周りで巻き起こったパタヤの日常とともにそのなぞを解明してみたい。（なんのこっちゃい・・汗）
◆たまにあるある（？）パタヤの日常景色―とある水曜日の憂鬱・・・
早朝７時過ぎ、部屋の外から漏れ聞こえる騒音にて起こされる。「何事か？」と、ベランダからアパート下を眺めると、いかにもパタヤにいそうなファラン（欧米人）おっさん一名。もちろんスキンヘッドに短パン、タンクトップという出で立ちであるが、明らかに血まみれ・・・汗）。しかも、両手に包丁（凶器）を持ち、階上にいるであろう彼女（or奥さん）へと罵詈雑言の嵐。どう見ても尋常ではない殺傷沙汰が起こっている様子であるが、ここはパタヤであるからして、それは、ただ、鬼嫁タイレディに血祭りにあげられた挙句、部屋をたたき出された男・・という「哀れなファラン in Pattaya （タイの現実）」の図であり、事態を呆れた様子で淡々と見守るアパートの住人たち＆管理人の姿が、よくある日常景色の一つであることを物語っている。
「ま、その内、事態が収まらなかったら警察が来てチャンチャン（終了）ってか？」というわけで、朝も早くから不吉（物騒）なものを目の当たりにした僕であるが、その日の夕暮れ時・・。飯でも食おうと奥さんと外出。と、その前にバイクのガソリン補給にスタンドに行くが大混雑。そして、隣りにいたファランおっさんに「割り込みするなよ！！」と突然イチャモンをつけられる。「はぁ？してないよ！！」と反論している間に、他のファランおっさんに割り込みされる・・最悪）。
腹の虫は収まらないところだが、グダグダ言っても仕方ない・・と、腹ごしらえにピザ屋に行く。数分後、奥さんが頼んだコーラとスパゲッティーが運ばれてくる。僕が頼んだピザは焼くのに15分程かかるらしい。だが、20分待ってもピザは来ない。アイスティー（ドリンク）も来ない。「どうなってんだよ？」と別の店員に尋ねる。と、どちらも注文を受けたまわっていないらしい。「はぁ？？」。注文を取った店員を捕まえて、「ピザのサイズとか生地とか聞いただろ！？いや、その前に、アイスティーもミルクかレモンかと確認したのは何だったんだっ！！」と文句の一つでもつけたかったが、それから調理を待つのも嫌なので、大人しく退陣・・最悪）。
俄然、腹の虫は収まらないところだが、グダグダ言っても仕方ない・・と、もう家に戻ることに。その帰り、コンビニに立ち寄り、ドリンクバーのアイスコーヒーを購入。で、テイクアウトして部屋で飲もうと口にしたとたん、、「まずっ！！！」。ホロ苦どろか明らかに酸っぱい味わい。奥さんに試飲させると、あまり飲まれてない数日前の売れ残りコーヒー（くさり気味・・確定）というわけで、もう、この日の不吉な流れを締めくくる見事なオチに二人して爆笑・・最悪）。
そして、そんな日本ではあまり起こりえない（へたしたら問題になる）事柄も、タイに住めばそれは、たまにあるある（？）日常景色のヒトコマとして片付けられ、南国の住人たちは「ああ、それはマイミーチョクディー（不運）だったね・・」と笑い話に終始するだけである。「ああ、何てこっタイ！？」日本人の僕は呟く。そして、そんな不吉な水曜日の夕暮れ時、どんより曇ったパタヤの空にはスコールが降り注ぎ、大粒の雨水はその全てを洗い流す。それまでの出来事は何事でもなかったかのように。もう、雨季に入ったのだろうか・・・。
