(先日)パタヤに長期滞在している友人が、カンボジアのプノンペンでタイビザ(観光ビザ)を取得してきたというので、いろいろ話を聞いた。と、プノンペン市内で撮ってきたという写真を見せてもらったのだが、僕がその昔(10年程前)、訪れた以前の雰囲気とは打って変わり、ここ数年で、街にはホテル、レストラン、カフェ、そして、バービアなど、インフラ整備どころか、かなり欧米風スタイルに発展してきた様子。というのも、僕が訪れた当時のプノンペンは、まだポルポトによる悲劇の爪痕が幾分残っているような時代で、夜出歩くのが危ないとか、ディスコに行くと入口の所持品検査で普通に銃とかライフルが没収されているような物々しい雰囲気で、街を歩けばモトサイの群れが必ず10台ほどウヨウヨついてくるし、葉っぱとか薬とか平気で売ってくるし、現地の飯は不味いし、街は砂埃で汚いし、唯一のスーパーと言えばタイのBig-CをパクってBig-Aだったりと、とにかく「もう二度と来なくてもいいや・・」と思い、それから足を運んでいない街でもあった。しかし、ここ数年は、ODA関連だか、日系企業の中国からの工場移転だか何だか知らないが、日本人(駐在員や長期滞在者)の数が増えているのであろう。バンコクさながら、日本語情報誌(フリー紙)も出ている模様。そして、この街にはギャンブル好きにはたまらないカジノもある。(うーむ、久々に行ってみたい気も・・)
現在、タイに長期滞在している人は、駐在員(現地採用)やタイで起業しているような経営者なら就労ビザ(ノンイミグラントBビザ)、老後の年金生活者などはリタイヤメントビザ(50歳以上)、タイ人と結婚している人は結婚ビザ(Oビザ)など、それぞれに適合するビザ(査証)を取得してタイでのロングステイを楽しんでいるわけだが、それ以外で長期滞在するための手軽な手段は、ノービザ(空路で入国の場合は30日/陸路なら15日の滞在許可)でタイ入出国を繰り返す、あるいは、近隣諸国のタイ大使館にて観光ビザ(シングルorダブル)取得を繰り返す。また、タイ語を学びながらEDビザ(留学ビザ)で滞在するといった方法もある。
→ラオス(ビエンチャン)でタイビザ取得
そんな中、近隣諸国のタイ大使館にてビザ取りを繰り返すロングステイヤーたちにとって、最も気になることと言えば、その時のタイの政権(政党)である。マレーシアのペナン、カンボジアのプノンペン、そして、ここ数年は、ラオスのビエンチャンが長期滞在者にとってタイビザ取得の定番コースだった。それは(アピシット政権時の)今年3月までは観光客誘致に・・とビザ代が無料だったこと、あるいは、ノンカイ国境近辺で交通の便がいいこと、そして、タイ側が秘密裏にビエンチャン市と提携協定でも結んだのか、ビザ取りにビエンチャンへ足を運ぶ外国人たちが、人伝やタイ旅行会社のビザ取得ツアーなどで瞬く間に急増したからだった。
そして、一方のカンボジアと言えば、アピシット政権にとっては、プレアビヒア遺跡問題などで関係悪化、仲が悪いという理由もあった。(多分)そして、今回(7月)の選挙でタクシン派(タイ貢献党)が政権を奪取した。タクシンの妹であるインラック女史がタイ史上初の女性首相になると世間を騒がせているが、彼女曰く「自身は兄(タクシン)のクローンであり、兄の意思・政策を受け継ぐものだ」としている。タクシンと言えばカンボジアのフンセン首相と近い仲であることも知られているし、同じ中華系でもある。
そもそも、ここ数年の発展には、少なからずカンボジア政府の経済顧問に就任した経緯もあるタクシン、引いては中国辺りの力添えがなかったとは言い切れない。そして、2006年にカンボジア政府がユネスコに世界遺産(プレアヒビア遺跡)の登録申請をした時も、当時のタイの政権はこれを支持したが、それはタクシン派の政権だった。(反対派からは売国行為だと物議を醸す・・)おそらく、今後のタクシン派政権でも、プレアヒビア遺跡は何かと問題の種になることだろう。そして、また以前のように、カンボジア側に譲歩すれば、利権だ売国奴だのと黄色シャツ(PAD)からの反対運動にも繋がるだろう。しかし、両国の国境間が緩くなることは間違いない。
と、グダグダ書いてしまったが、長期滞在者たちの立場から言えば、今後のビザ取り(ツアー)は、これまでのビエンチャンに変わり、プノンペンの時代がやってきそうな気配だということである。ちなみに、友人は現地の代行会社を使って観光ビザ(シングル)を取得したらしいが、ダブルでもOKだぞ!とスタッフに勧められたそうだ。うーむ、やはり以前に比べ緩やか規制という感じ(?)。プノンペンへは空路が便利(バンコクから1時間程)でエアアジアやバンコクエアウェイズが定番。カンボジア入国の際はビザが必要だが、プノンペン空港(orシェムリアップ空港)にて取得可能。陸路の場合は、アランヤプラテート(タイ側)~ポイペット(カンボジア側/カジノがある)入り、そこからプノンペンへと現地バスや相乗りタクシーを乗り継ぐ中々のハードコース。数日かけてのんびり観光でもしながら行く時間に余裕のある人にはオススメかもしれない。
→パタヤ~アランヤプラテートへバス
→カンボジア査証一覧
→カンボジアのホテル