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タイ洪水ようやく終息か・・・

投稿日:2011年11月12日 更新日:

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タイ中北部で浸水被害が続いている未曾有の大洪水も早や一ヶ月が過ぎたところだが、11月10日(満月の夜)には伝統行事のロイクラトン(灯篭流し)が催された。バンコクほか被害地域では浮遊するゴミ、汚水問題などもあり自粛ムードとなったようだが、パタヤといえば例年通りの混みようであった。ここ数週間、バンコクほか被災地から避難してきているタイ人も多く見かけていたので、当日は大混雑の交通渋滞も予想していたが、さほどの盛り上がりはなかったように思う。やはり自粛ムードということなのか、それとも避難生活が続いて金銭的に困窮気味な人が多いのか、イベントや出店も幾分おとなしく、いつものタイ人の酒盛りDAY
というよりは、しめやかな空間だったような気がする。

ま、そもそもロイクラトンというのは、雨季の終わりを告げる時季に催されるもので、豊作を祈る雨乞いの要素もあるのだが、今年はこんな状況なので、水に感謝というよりは天に祈願という人も少なからずいただろうし、一年を振り返り~締めくくる厳かな行事という要素が大きいこともあるのだろう。ま、とは言え、街を闊歩する欧米人も徐々に増えてきた様子だし、スワンナプーム空港が問題ない限りは、このまま例年通りのハイシーズンへ向かっているという雰囲気である。
【タイ写真館】 ロイクラトン(灯篭流し)

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と、パタヤは青空晴れ渡る日が増えてきて、夜は多少肌寒くなってきたので、まさに雨季も終焉、ようやく待ち遠しかった乾季の到来という兆候であるが、まだまだ、タイのテレビをつれけば連日、洪水のニュースで持ちきりである。そして、その内容といえば都心部バンコク防御の報道ばかり。大きな懸念だった中心地域への浸水も何とか抑え、今後10日ほどで水も引き、排水作業は首尾よく運ぶだろうといった政府見解が出され、操業停止していた日系企業の工場もようやく再開の動きを見せているが、まだまだ、中北部に大量の水が残っていることを忘れてはならない。NASAが随時公表している衛星写真を見れば、それは一目瞭然(↓以下)。

2008年の平常時と今年2011年の浸水状況を比較しているのだが、バンコク北部に留まっている大量の水は、先月から全く変わりないほど多いのが分かる。この大量の水はいったいどこに、どうやって、どれぐらいの
時間をかけて排水するのだろうか。そして、浸水地域の状況にもよるが、先ず、排水作業が重要視されるのは工業地帯(日系)だろう。嫁の親族がアユタヤに住んでいるので頻繁に連絡を取っているが、すでに一ヶ月ダラダラと浸水は続いているとのことだ。ここ最近、ようやく膝下ぐらいまでの高さになったようだが、その間、じっくりと汚染された水に空気に、浮遊するゴミに身体をさらし続けてきたのである。

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(2011年11月8日)

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(2008年11月13日)
【NASAの衛星写真】 Flooding in Southeast Asia

それは人災とも言われているように、バンコクへの浸水を死守するために塞き止められた汚水にじっと我慢してきた人たちが多数いるということである。もちろん、現地では口止め料とも言うべき数千バーツの援助金が出ているので、彼らの怒りが頂点に達していることはないだろう。ただ、テレビニュースはバンコク浸水のカウントダウンを追うばかりの報道で、何だかもどかしい気分にさせられるのも確かである。今回の大洪水は50~60年に一度という大規模の雨量であるらしい。しかし、理由はそれだけではなく、近年の経済成長による都市化に人口増加、そして地盤沈下、日系企業などの工場進出に森林伐採・・・と様々あるようだ。

そして、のん気なお国柄よろしく、無計画に無秩序に発展したきたであろう首都バンコクは、すっかり交通渋滞と排気ガスの街として有名になり、「天使の都」とか「東洋のベニス」といった称号も似合わない様相になりつつある。水と共存してきた民族なのに、治水対策が甘かったで済まされる話なのだろうか。そして、今年で在位65周年を迎えられたプミポン国王は、王宮への浸水の危機に際して、ご入院中の病院から、こう述べられた。 「自然に任せよ・・・」と。

バンコクには流れてくるなと無理にせき止め、幾分の科学力と希望的観測で何とかしようと必死にもがくが、どうにも五里霧中っぽい様子の現政府。一方、王宮浸水にも懐深く、流れに任せよと、まさに万物の法則に従うように、中庸な仏教的目線で、お言葉を述べられた国王陛下(ラマ9世)。そして、タイ国民たちは、相変わらず、のんびり笑顔で、たくましく今という現実を生きている。

 

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