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ラストオブタニヤ―アジアンレディの井戸端会議

投稿日:2004年1月18日 更新日:

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先日、日本人の知人3名がパタヤを訪れた。そして、彼らがパタヤの歓楽街を歩き、選び抜いた今晩のお相手、それぞれの連れている3人のタイレディたちは、それらが三種三様。まさに「アジアの夜の女たち」的な匂いをプンプンに発する代表格のような存在だった。

1番バッター「キャピ子(仮名/22歳)」は、パタヤ一の歓楽街通りウォーキングストリート内、有名GOGO店のダンサーで、勤続1年。自称NO.1だとかエラそうなことを言っているが、実際、小顔色白の可愛い顔立ち。終始、笑顔と小話を絶やさないが、微妙な日本語も操るキャピキャピ系、夜の女である。

2番バッター「シャイ子(仮名/20歳)」も、同じくウォーキングストリート内の有名GOGOで、勤続6ヶ月。浅黒くて小柄のイサーン美人(東北地方)である。使用可能言語は、英語少々。特に、でしゃばるでもなく、会話に参加しないでもなく、付き合いの酒を飲まないということもなく、とにかく、その場、その場の状況に応じて、UP・TO・CUSTOMER(客次第)を頑なに実践する、シャイ系を装った、実はプロフェッショナル系、夜の女である。

そして、3番バッターはさすがの強打者。「タニ子(仮名/?歳)」は、とあるカラオケクラブからママ一押しの推薦でオフされた、元タニヤ出身の年齢不詳レディ。(※タニヤとはバンコクの日本人通りのこと。日本人専用のカラオケクラブがいっぱいある)さすがは、これがタニヤレディと思わせるほど、相当量の日本語を理解し、奇妙に話す。過剰なサービスもなんのその、夜の世界の酸いも甘いも知り尽くした、職人系、夜の女である。

それぞれが、それぞれの店から連れ出され、客の一つの輪の中で、集結する。。男は、男同士、、日本人同士、アジアンレディを横に据え、観光地での酒盛りを始める。そして、女は、おんな同士、、同業の女同士、夜の井戸端会議を始めていく。

先ずは、年齢の近いキャピ子と、シャイ子が、お互いの店(GOGOバー)を教えあい、話は始まる。一方のタニ子は、日本語が話せるため、怪しくも絶妙なタニヤントークで、会合を盛り上げている。キャピ子と、シャイ子は、ものの数分で打ち解け、お互いの店のサラリー、客層、チップなどを教えあい、情報交換に話を終始。その後、お互いの今、横にいる彼(客)の宿泊しているホテル、束縛時間、滞在期間、チップの額など、お互いにとっての好材料を、こと細かに交換していくのであった。

そんな二人をよそに、タニ子はさすが夜の女の鏡、まさにプロとも言うべき仕事(作業)を熱く、そして、タンタンとこなしていく。客がタバコを取ればライターに手が伸びる。客が汗をかいていればティッシュに手が伸びる。飯が来れば取り分ける。そして、自らも酒をガンガンあおり、怪しいタニヤ言葉で会合を盛り上げていく。だが、熱く押した後がタニ子の勝負どころだ。タニ子が見ているのは今、その場ではなく、彼(客)との明日、そして将来である。

勢いよくカクテル数杯を空け、酔っ払ちゃったわ私…モード炸裂のタニ子は、次の作業。お盛んショーへと仕事を移行していく。初めは「アナタ、アシタ、ワタシ、チェンジダメでしょー」と、女を変えずに明日もワタシと一緒にいて…おねだり作戦にうって出る。もちろん、タニ子の手は彼(客)のヒザ上へと置かれてある。あとは畳みかけるように。

数分後、再びモードチェンジ。これまで、笑い~オネダリと来た次は、しっとり甘えモード作戦。彼(客)の目をガン見し、抱きつく。そして、キス。ガン見し、抱きつき、キスという流れを、しっとりタンタンと繰り返していく。で、その数分後。彼(客)あえなく消沈。翌日もオフ決定!さすがは元タニヤレディ。狙った獲物はそう簡単には逃さないプロフェッショナルハンターである。

と、タニ子が奮闘している最中、一方のGOGOレディ二人の女たちの会話。シャイ子が「今日は日本人の彼を選んだため、イングランド人の彼が怒っている」とキャピ子に相談している。二人はまだ若く彼(客)を選べる立場にあるようだ。そして、目の前に繰り広げられる、得体の知れない生物タニヤレディの言動を、たっぷり1時間ほど味わったパタヤレディの二人は、ここでようやく、タニ子に興味を持ち始める。

過剰にも見える彼(客)へのサービス、しかも、分けのわからない日本語をベラベラ喋っている。歳もある程度いっているように見えるが、なにしろプロの女の匂いがプンプンしまくりなのである。改めてそれぞれが自己紹介を始め、そして、二人は未開の地バンコクのことを聞き、多少ながらもタニヤへの関心を抱き始めるようになる。

タニヤのシステム。厳しい規律。こわいママさん。勤続当初は日本語学校へ通い、日本人マネージャーから会話レッスンの訓練も受ける。田舎~パタヤにやってきた二人は「なぜ、そこまでして…」という興味深々な表情だ。だが、駐在員のミアノイ(妾)になれば、いい客がつけば、車に家に洋服にバックに、いろんな物を手にすることができる。一人のタニヤレディに毎月30万円もの大金をつぎ込んでいる駐在員もいるぐらいだ。(いまだにいるらしい) タニ子の話にも熱がこもる。

だが、キャピ子もシャイ子もまだ若い。しかも、今の自分の境遇で自分の仲間たちとワイワイやって稼いでいる現状を変える気は更々ない。二人は、結局、タニ子を「自分の知らない領域の夜の女(おばちゃん)」と捕らえただけであった。で、実際のところ、タニ子はさすがプロだけあって、歳もそこそこにいっていた。初めは自称24歳と語っていたが、ものの数時間でボロが出て31歳ということが判明。パタヤに来た理由も「今のタニヤもやはり若い子が優遇される時代になった」とのことだった。ま、簡単に言えば、売れなくなって、パタヤのカラオケクラブに流れてきた…といういきさつである。

笑い~エロエロ系まで、ベタベタな小ネタと様々なモードで男を操る、ラスト・オブ・タニヤ。時代に取り残された―夜の女。将来などまったく考えていないように見えるパタヤレディ。今を楽しみ生きる―夜の女。それに群がる世界各国のおっさん―夜の男。そして、そんな様々な種の男も女も、全てを一手に受け入れ、飲み込んでしまう街パタヤ。それは、性とか、快楽とか、解放感とか、などといった強力なエネルギーを発する、でも、何か混沌として、何か殺伐とした異空間に迷い込んだ動物たちの会合のようにも見えた。

パタヤは、野生の王国である。

 

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