タイに住み長くなってくると、「泥棒に入られた・・」、「アパートでバイクを盗まれた・・」といったご近所ニュース(トラブル)を、しばしば耳にするようになる。そんな環境下、バイク王国のパタヤで最も気をつけなければいけないのが【強盗団】だ。まさに、読んで字のごとく、「強引に盗んでいくヤツラ」のことであるが、だいたいはタチの悪いタイ人の若者で、徒党(グループ)を組んで犯行を繰り返している。そして、最もやっかいなのが、走行中のバイクさえも、ヤツラの獲物だという点である。
ヤツラは、2ケツ(二人乗り)で街を流し、特に、装飾品を身につけた女性をターゲットに狙う。一人がドライバー役、後ろに乗ったもう一人が犯行に及ぶという単純なものであるが、ときに、鉄棒やパイプなどを持っていることもあるので、尚更、タチが悪い。ターゲットは歩きでも、走っているバイクでもいい。首からかけたネックレス、ブレスレット、ショルダーバッグなど、とにかく、金目の物を強引に奪って~走り去るという手法。
タイ人女性は、純金(ゴールド)が大好きで、アクセサリーなどを愛用しているが、最も被害の多いのが純金ネックレス。見栄っ張りタイ人は、ギラギラと重そうなゴールドを好むため、それはヤツラからすれば、金のネギをしょったカモなのである。ヤツラは、運転中のターゲットをよそに、装飾品を強引に引きちぎり、かっさらっていく。また、純金(ゴールド)は、金行ですぐに換金できるため、ヤツラの格好のエサなのである。
というわけで、僕の彼女も、バイクに乗って外出する時は、極力、気を配っているわけだが、つい先日の出来事・・。僕は、バイクの後部座席に彼女を乗せ、パタヤの日中炎天下をひた走っていた・・(サードロード)。と、後ろの彼女が、「アンタラーイ(危険)・・」、ぼそっと運転中の僕に告げた。何でも隣りを走っているバイクの二人組が怪しかったという。ふと、隣りに目を向けるとタイ人の若者。そして、彼らは僕らを追い越していった・・。
と、その数秒後。前を走っていたバイクから悲鳴が聞こえた。バイクの運転手は欧米人のオッサン、そのタイ人彼女が後ろに乗っていたのだが、彼らは、彼女からの追いはぎをもくろんだ様子だった。強引に金品を奪おうとするタイ人若者2名。それに逆らって、もがくタイ人女性。そんな数秒間の格闘の末、欧米人の運転するバイクは転倒した。すかさず、起き上がったタイ人女性は、罵倒とともに、走り去る強盗団に向け、何かを投げつけている。すぐにバイクを止め、被害にあった二人に駆け寄る。運転手の欧米人は、元々ケガをしていたらしく、片足にギプスをつけていた。更に、転倒でその傷口を悪化させたようで、ウーウーと呻いている。彼女であるタイ人女性が、犯人と格闘し、投げつけていたもの(武器)は、彼の松葉杖だった。
不幸中の幸い、彼女は何も盗まれなかったようだし、転倒をよそに全くピンピンしている。欧米人の彼氏は悶絶しているが、さすが、タイ人女性。ピカ一の運動神経である。と、罵詈雑言の連続で怒りの収まらない彼女を残し、我々は、現場を後にしたのだが、いやはや、バイク盗賊団とは、何とも危険で、へたしたら大事故にも繋がりかねないすえ恐ろしいものである。出没の予測は不可能・・求められるのは、ただただ、己の危機管理能力だけである。うーーん、、アジアで生活するのって、意外にシビアかも↓