今年は、ソンクラーン(水掛け祭り)期間~約2週間ほど、タイ嫁の田舎であるペッチャブーン(タイ中北部)にて、のんびり過ごしてきた。深い山々に囲まれたナムナオ郡という場所なのだが、一言で言えば、ひっそり山あいに佇む山岳民族のような集落群、そして、村人たちといった様相。もちろん、コンビニ、レストラン、インターネットカフェなんて都会的な建物もなく、市場すら近辺に一箇所だけ。とにかく全てが原始的で、自給自足とか寄合い社会といった暮らしの雰囲気である。
毎朝6時頃には、ニワトリの鳴き声や町内放送、物売りが叫ぶ声などによって起される。僕には特にやることもない。じりじりと照りつける太陽の下、近所をプラプラ散歩しては、田舎の人々を観察するぐらいである。そして、各々は自分の田畑に行き、それぞれの農作業に精を出す。一方、仕事がない者は、毎日のん気に飲んだくれな生活を繰り返している。田舎では困っている者には助け合いの精神がある。朝食・夕食時には、近所の住人が食料を持ち寄っては、物々交換したり、たかってみたりと、のんびりマイペースに暮らしている。そして、そんな空間に数日も浸っていると、日本の事どころか、自分が日本人であることすらどーでもよくなり、まさに人間そのものについて(人生とか運命とか宿命とか)深く考えてしまうことになる。
昼間はアクティブに自然探索♪その辺にある川、滝などに行ってみたが、今は乾季のため、滝を流れる水も干上がっている状態。見た目はあまり良くないが、これもまた乙なものである。
そして、何より毎日楽しみだったのは、夕日(夕焼け)である。一日に一度だけの数分間のショータイム。空気のきれいな田舎だと、また、その色合いも決め細やかで圧倒的に美しい。
連日、野生的な蚊に食われまくるし、風呂場(トイレ)にはデカイ蜘蛛とか蛙が普通にいてアプナム(水浴び)するのも一苦労。夜は、トッケイ(大型ヤモリ)の鳴き声に何度となく起されてしまうしと、とにかく大型の虫(生物)に驚き困らせられることが多々あったが、それもいつの間にやら慣れてしまうから、人間の性質(適応能力)とは恐ろしいものだ。そして、田舎の人間たちには、顔を会わせる度、「ここに住みたいかぃ?」と質問された。
今の僕にとって、都会生活とか文明の利器なんて物にはあまり執着がない。極端な話、携帯とかインターネットがなくても問題ない。(多分) となると、行く行くは、大自然に囲まれ農民的な暮らしとか、山奥の寺院にて僧侶になるのもアリかもなんてことも空想してみる。インフラの行き届いていない田舎で、村興しに一役買うのも面白そうだ。そんなことを感じ考えながらパタヤへと戻ってきた。そして、数日後の感想、「やっぱりパタヤは落ち着く・・」。どうやら、まだ、僕は、この猥雑な町から離れられない体みたいだ。(むむぅ・・)
→【タイ写真館】―ペッチャブーン(自然の景観、滝など)
→【タイ写真館】―ペッチャブーン(寺院、仏教日など)