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今後の日本を想う―Fromタイ

投稿日:2011年4月8日 更新日:

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日本の有史以来、1、2位を争う程と言われる未曾有の大震災、そして、福島原発問題。今も尚、避難生活を続けている被災者の方々には、ただただ深くお見舞いの気持ちを申し上げると共に、これから始まる長き復興への道のり~現実問題を思慮すると、とにかく、「何とかサバイブして生き抜いて欲しい・・」と願うばかりである。幸いにも、僕の実家は福岡なので、両親(一族)共に全く問題はなかったが、海外(タイ)に住む一日本人として、現在の日本の現状がどのように見えているか?いろいろ感じる部分も多いので、個人的見解を述べさせて頂こうと思う。

(現在)震災から約1ヶ月が経とうとしているが、世界中の視線は、日本の福島原発の行方に向けられているばかりだ。そして、原子力エネルギーについての再議論がなされていたり、いったい日本が、今後、どうやって、この戦後最大の危機を乗り越えていくのかを注意深く、見守っているといったところだろう。しかし、国民のリーダーであるはずの日本政府(現民主)は相変わらず、あやふやな発言を繰り返し、監視役のはずのマスコミ(特にテレビメディア)も、右に倣えの情報規制(統制)。被災地には、10万人の自衛隊(大部隊)が派遣されているのに、その状況を知り得る方法は、日本ではなく海外のマスコミからという悲しい現実・・。(失望)難しい数字(記号)や、容易には理解できない専門用語を羅列し、言葉のトリック(すり替え)で偏った安心感を与え続けている。それを批判したり、危機感を募らせる言葉を口にすると、「煽り」とか「不謹慎」、「風評被害」といった言葉で一括(統制)される。今尚、非常事態は続いているのにである。これは、どうにも、戦時下の「非国民」と同じ考え方のようにも見える。

今の時代、情報宝庫インターネットがあるから、大体のことは調べれば大凡ながら把握できる。そして、現在も進行中の原発問題は、自然災害ではなく「人災」だとも言われ始めている。福島第一原子力発電所は、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社製である。全6機はいずれも1960~70年代に導入された年代物。当時は、30~40年が原発の寿命と言われていたが、それは時が経つにつれ、メンテナンス(整備・修復)という技術(言葉)によって50年、60年と伸ばされた。その技術者(メーカー)は、東芝、日立、三菱といった企業。運転者が東電などの電力会社である。そして、戦後の1950~60年代に原発という技術をアメリカから日本に輸入し、日本に広めたのが、読売新聞の初代会長である正力松太郎、彼は原子力委員会の初代委員長で、「原子力の父」という顔も持っている。

アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)は世界最大のコングロマリット(複合企業)。今回の事故でその存在を世間に知らしめた日本の原子力安全・保安院とは、経済産業省の一機関である。そして、実際、事故が起こった際、自衛隊には原発事故・核専門の特殊部隊がなかったという現実。「原子力=核開発」と言われる事実があるのに、日本は広島・長崎の核の教訓を生かせないまま、戦後の経済成長の流れのままに、経済界中心の施設運営、、安全だという言葉だけを聞き流し、かつ、無関心でもあった。今、原子力の脅威を日々感じながら、自分が無知であったことを強烈に思い知らされることになった。

そして、現在も尚、福島原発からは、放射線(放射性物質)が、日々拡散(垂れ流し)続けている。アメリカ、フランス、日本政府(原子力保安院)、東電・東芝・日立・三菱といった大スポンサーに縛られているマスコミ、御用学者たちの意見は、総じて、安全主張傾向である。これまでは、薬事法とか、食管法とか、海外からの輸入品にインフルエンザなど、世界一と言っていいほど、安全規制にうるさかったはずの日本が、世界を震撼させる事態に瀕しているのに、今回だけはなぜか緩やか規制・・。「直ちに影響はない」という言葉を繰り返し、それが今後の賠償問題に左右されているのは明らかのようにも思える。そして、悲しいかな、真実を知るには被災現場と一部のインターネットメディアの中でしか、見出せないような気もする。

僕が、今回の大震災による原発事故で最も脅威的だと戦慄を感じているのは、原子炉というものが、使用中であれ、使用済みであれ、燃料棒を常に冷却し続けなければならないという事実を知ったからである。そして、原子炉を廃炉にするにしても30年かかるとか、一基あたり数千億円のコストがかかるといった話があるからである。格納容器の内部には、おびただしい数の配線と配管がある。そして、鋼鉄製の容器が損傷しているのである。それを放射能が飛び交っている中で修復するのに、いったいどれほどの時間がかかり、どれほどの作業員が被曝被害にあうことになるのだろうか。年間許容量を超える放射能を短時間で浴びるとなれば、そのうち現場作業に従事する人材派遣の問題にもなってくる。いったい、どれだけの人間が原発汚染の憂き目にあわなければならないのか。それを一民間企業が運営~責任を持つということ自体が、そもそも間違いの元なのである。(多分)

そして、きっと国民の皆は、だいたいのことを理解し感じているに違いない。ただ起こった以上は、前を向くしか逃げ場や希望はないのである。チェルノブイリにおいての被害は、数ヵ月後~数年後、長くは数十年後に渡り、その被曝症状が現れると言われている。(専門家にもよる) だからこそ、我々は、近代の歴史観(世界史・日本史含め)、特に戦後以降の日本国家のあり方、人類における人生の価値観といった大きな目線で、この事実を受け止め、再考しなければならないとも思う。地震大国として安全な原発とは?原子力発電を解決するためのエネルギー問題(太陽光・風力)、核開発という裏の顔を持つ安全保障問題(外交政策)、自衛隊の存在意義、憲法改正、あらゆる問題のひずみが今、同時に浮き彫りになってきている。そして、このまま、節電とか、石油高騰、(後々)高税率とか、そういう事態にだけ流されてしまうのもどうかと思う。

資本主義経済の行き着く果ては、いったいどこなのだろう。物質至上主義は、いつまで続くのか。そして、先進国的な民主主義社会とは、互いに自由を主張し奪いあうだけの悲しいシステムなのか。ただ、何が正義なのか分からない現実感だけが、暗雲のごとく、目の前の世界を支配し続けている。その答えは誰にも分からない。こんなにワケの分からない社会構造の中、悲劇的大災害(事故)が起きているのだ。最も頼りにしなければならないのは自衛本能であり、全ては自分(一族・家族)の判断、価値観で先ず決めなければならない。後々の保証や責任は誰もあてに出来ないからである。そして、今も尚、避難生活を続けている被災者を思い、現場作業員、警察、消防、そして自衛隊に心からの感謝と敬意を込めて・・。「Pray for Japan」、そして、今こそ「Change Japan!!」。

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【武田邦彦(中部大学教授)】―原子力問題について詳しいサイト
※放射線(放射性物資)による体内外被曝、規制値など、各個人における今後の対応策について国民目線で詳しく解説されています。日々更新されているため、一読されることをお勧めします。
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