ここ数日、夕立(スコール)に見舞われる日もちらほらり、雨季時の忘れ物かとばかりに不安定な空模様が顔を出すパタヤの天気、この頃であるが、不安定と言えば、最近、どうもタイ国内情勢のほうが、再び、怪しい雰囲気になってきたようだ。主役は、もちろん、現アピシット政権の解体を望む赤色軍団の長、某タクシンであるが、去年末あたりから、また行動が過激になってきた感がある。そもそも、2009年に起こした数々のデモ騒ぎ、ASEAN会議妨害、そして、カンボジアの政府顧問に就任と、、第三者からすれば、まさに、いっぱしのテロリストのようにも見えるが、長い歴史の中でのヒトコマと考えると、もしかしたら、遠い将来、彼は、稀代の革命家として名を残すことになるのかもしれない。
だから、タイ国民でない僕が、何が真実なのか?どっちが正義で悪なのか?などと思案するのはどうかと思うが、とにかく、現政府も今後のタイにしても、タクシン問題にある程度の終止符が打たれない限り、爆弾を抱えた船のように、何かしら、不安定な日は続くようにも感じる。(当然か・・)
それにしても、僕が気になるのは、やはり某タクシンのずば抜けたカリスマ性と、その緻密な戦略(頭脳)、そして、行動力(金銭&コネ)である。タイとは国境問題で揺れる隣国カンボジアと手を結んだことは、まさに、敵陣深くにズバリ刺した王手飛車取りにも成りかねない強力な一手だと思う。去年12月のキングバースデイ(王様誕生日)前、この時期には何事も起こしたくないタイ政府をあざ笑うかのように、カンボジア政府顧問へ。そして、その後も狡猾に、でも悠々と隣国への入国を繰り返す某タクシンを見ていると、ある種の戦慄を感じてしまう。
そして、ついに先日、某タクシンは、亡命政府樹立なるものを宣言した。名前だけ聞いたら、それは、まさにテロリストだか革命家だか、とにかく、おどろおどろしい雰囲気を連想させる言葉だが、いったい今後どうなってしまうのかタイランド。今のところ、数々の問題にも冷静に対処、同時に観光客の数もそこそこ取り戻し、とりあえずの安定感を見せている現アピシット政権であるが、最終決着の日は、もうそこに近づいているのである。(多分)某タクシン一族の資産766億バーツ(どんだけぇ~)の没収をめぐる最高裁の判決は、来月、2月26日に予定されている。それを阻止すべく、様々な戦略を打ち始めている赤色軍団の長、某タクシン。もはや、この問題に飽き飽きしている感のあるタイ国民。そして、ご入院中のキング(国王)。
再び、デモ騒ぎとか、陸軍によるクーデターとか起きてしまいそうな感もある今後一ヶ月。その動向に注目が集まるところだが、とにかく、この国を好きになった人間からすれば、仏教的に平和に解決して欲しいものだ・・と切に願うパタヤの夜更けである。(フム・・)