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タイの仏暦(新暦)と旧暦とは?

投稿日:2011年1月21日 更新日:

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先日の早朝7.00頃のこと、いつもの日課よろしく、アパート下のウォーターマシン機で水補給していると、近所の寺院(ワット)に向かうタイ人の群れが目に入った。よく見ると、手にはサイバート(托鉢寄進セット)。 「んっ?今日って仏陀の日だったっけなぁ・・」。さっそく部屋に戻り、タイカレンダー(2011年版)をチェックしてみたが、それらしいことは、どこにも記載されていない。そこで、タイ嫁をたたき起こして事情を尋ねてみると、どうやらタイの旧暦に則った、いわゆる仏日なるものがあるとのことだった。それは、年に数回ある祝祭日になるような「大仏陀デー」ではなく、言わば、日々日常の中にある「小仏陀デー」
といった類のものだ。(知らなかった・・恥)仏教愛好家を自称する僕だが、実際は、気が向いた時しか寺参りに行かない程度のもので、そんな仏日があることすら知らなかったのだが、信仰熱心な仏教徒や、特にタイ地方部など昔からの暦を大事にする人たち(年配者)にとっては、半ば当然の事柄なのかもしれない。

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というわけで、いろいろ調べてみたのだが、現在、タイでは仏暦が新暦として採用されている。これは仏滅紀元のことで、釈迦(仏陀)が入滅した(亡くなられた)とされる年を紀元0年、その翌年(=紀元前543年)~紀元元年として定めたものである。※タイ仏暦=西暦+543年となる。(その他、ラオス、カンボジアも同様)そして、この現行のタイ仏暦が施行されたのが1912年(西暦)、ラマ6世の時代であるが、それ以前には、現王朝が創設された1782年(西暦)を元年とするラッタナ・コーシン暦なるものがあった。これを(広い意味で)タイ旧暦としているようである。

ラッタナ・コーシン暦(旧暦)―西暦1782年~1911年までの暦(太陰暦)

タイ仏暦(新暦)―1912年以降~現行の暦(太陰太陽暦)

そして、旧暦~新暦へと代わるに伴い、太陰暦→太陰太陽暦へ。これは、太陽暦と太陰暦をミックスした暦法なのだが、タイの伝統行事(仏事)は、太陰暦によって行われることが多いため、その記述が複雑でややこしくなっている。ちなみに、旧暦では12ヶ月は354日で、365日より11日短くなる。この誤差を調整するために、3年ごとに閏月(うるうづき)のある年があり、その年は、1年のどこかに1ヶ月を挿入して(同じ月が2回)、1年を13ヶ月とするようだ。
※ソンクラーンは毎年4月13-14-15日と定められているが、実際の暦法で言うと毎年ずれていく。

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さて、話がややこしくなってきたが、とにかく、タイでの年間行事は、旧暦太陰暦に則って行われるのがほとんどである。それで、太陰暦とは、月の満ち欠けを基準にしているのだが、月は地球の周りを約4週間で1周公転する。厳密に言うと、29.53日×12ヶ月=354.36日で、奇数月を29日の月、偶数月を30日の月として月の周期とのバランスを取っている。

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そして、↑上記図のように、太陰暦では1ヶ月を更に、「新月~満月へと月が満ちていく過程をクン(白分)」、「満月~新月へと月が欠けていく過程をレム(黒分)」というように、2つに分けて日にちを数えるのである。ちなみに、クンは15日、レムが15日(奇数月は小の月で14日となる)。なので、16日以降の日というものがない。今月(2010年1月)を例にすると、1月4日が新月、12日が上弦、19日が満月、27日が下弦ということになるのだが、これらをタイ旧暦で言うと、新月が「黒分の14日目(レム14カム)」、上弦が「白分の8日目(クン8カム)」、そして、満月が「白分の15日目(クン15カム)」、下弦が「黒分の8日目(レム8カム)」というように数えていく。(や、ややこしい・・汗)

月齢カレンダー

そして、毎月節目となるこの新月、上弦、満月、下弦の日は、仏日(ワンプラ)と呼ばれ、お寺参りをする日とされているようだ。うーむ、奥が深い・・。おそらく、敬虔な仏教徒たちは、カレンダーで確認するというわけではなく、日々、月夜を眺めながら生活サイクルを肌で感じ、暮らし続けているのだろう。(そして、仏日が近くなれば托鉢僧などに尋ね確認する感じか・・)月のバイオリズムは海の潮の満ち引きを操っているが、同じく、人間の身体にも日々影響を与え続けている。ふむ、そんなわけで、今年は特に月を感じながら生活してみようと思う今日この頃である。(ナム・・

タイコラム―タイの曜日仏陀(仏像)

 

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